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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第47話

     47

 毎日、朝のだるさはあった。だが、午前五時に起き出し、キッチンでコーヒーを一杯淹れて飲みながら、食事を作る。栄養をバランスよく取っていた。食事が済めば、片付けをして、洗面所へ向かう。顔を洗い、髪を軽く整えて髭を剃る。そして書斎へと入っていった。

 いつも思っている。仕事しながらでも不満を感じることはあるな、と。鬱の症状もあるのだろうが、人間は思い通りにならないと、焦慮する生き物である。常にいろいろ考えていた。考えたところでどうにもならない類のことを。

 なかなか楽観できない。まあ、それが当たり前だろう。絶えず進みながら、そう思っていた。悩むことも人生では貴重な体験だ。というより、人生自体悩みで出来てるんじゃないか?

 先のことは分からない。手探りで進む。いつの間にか、それにも慣れた。わずかずつ仕事が来るにしても、何が待ち受けるのかはその時にならないと知ることは出来ない。目の前のことを一つ一つこなしていく。

 疲れはあった。最近、夜間よく眠れている。夜中に目が覚めても、トイレに立った後、また睡眠を取っていた。体調がいいわけじゃないのだが、昼間の活動には支障を来たさない。疲れたらすぐに休むのだ。決して無理しない。それが自身の健康法なのである。

 朝から執筆する。ネット小説は進んでいた。一日に十二枚ぐらい書く。そして今城のパソコンのアドレス宛に入稿していた。このところ、この原稿を重点的にやっている。何せネット連載はアクセス数が稼げるのだ。著者も出版社も互いに都合がいい。

 昼には仕事が終わる。外出する時は大抵、近くのスーパーか郵便局、床屋などに行く。変わらない日常が続いていた。朝が早いので、昼間はだるい。もちろん、合間にコーヒーを淹れて飲んだりもする。いろいろあった。保障されているのは、プライバシーだけだ。家に人が来ることはまずない。ここ数年間ずっと。それでも俺には俺でやることがある。山のように……。(以下次号)

 


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