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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第42話

     42

 十月はいい時期だ。若干冷えるのだが、厚着していれば、暖房などを入れずに済む。金曜も午前五時に起きて、キッチンでコーヒーを一杯淹れた。飲みながら、朝食を作る。疲れていた。だが、一日が始まると、意識はきっちり覚醒する。食事を取って洗面し、書斎へと向かった。

 パソコンを立ち上げて、原稿を打ち始める。日々やっていることなので慣れていた。朝型なので、早い時間を利用して、新鮮な頭で綴っていく。キーを叩きながら、いろいろ考えていた。悩みなど、いくらでもある。単に俺自身、滅多に口にしないだけで……。

 ネット小説は先行して書いていた。先の原稿が出来ていると、安心だ。不安ということはそうない。それに目の前が見えずとも進む。フロンティア精神はあった。どこかしらに苦はある。否定しようもなく。それを抱え込みながら、絶えず進んでいた。

 今城は大抵メールを打ってくる。電話だと時間を取るから、用件はメールでということらしい。まあ、多数の作家を抱え込んでいるから、忙しいのだろう。それに大手出版社の編集者は美食家が多い。用事があり、東京に行って会った時、今城から何度も和牛のステーキや寿司などを奢ってもらったことか?普段から美味しいものばかり食べているようだ。まあ、出版で儲けているから、出来ることなのだろうが……。

 昼間など、執筆が終わると、読書やテレビ鑑賞などをして過ごす。別に贅沢なことはなかった。単にわずかな額の金を文化的なことに回している。毎日本を読み、テレビを見ていた。現代社会に生きる人間として当たり前のことをやっているだけで、違和感はない。それに俺自身、独りで重大事を抱え込むことはなかった。電話相談などをすることもある。もちろん、割く時間は極わずかなのだが……。

 何かしら、宙に浮いているような感じで日々生きている。特に執筆後の昼間の時間などは……。(以下次号)


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