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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第37話

     37

 土曜の夜も早めに寝てしまった。連日、体がきつい。秋は体調を壊しやすい。少なくとも俺にとっては。コーヒーの飲み過ぎは胃腸を壊す。夕食後はカフェインを控えていた。そして午後六時には入浴し、夜間はゆっくり眠る。

 翌朝も午前五時には起き出し、ベッドを出て、キッチンへと向かう。コーヒーを一杯淹れて飲み、目を覚ます。朝食を準備して取った。日曜だが、仕事する。毎日少しずつでも原稿を綴る。当たり前だった。作家にとって、作品を書かないということは退くということだからである。

 支度をし、書斎でパソコンを立ち上げた。そしてキーを叩き出す。同じことを続けるのにも慣れていた。別に苦痛はない。淡々と原稿を作っていく。

 月刊の文芸雑誌の連載は引き受けていたのだし、並行してネット小説も書いている。仕事量は少ない。一日のうちでパソコンに向かう時間は、正味四、五時間程度だ。それでも何とか生活は成り立つ。売れていない分、声も掛からないのだ。ずっとそれで来ていた。気にすることもなく。

 午前中には仕事が終わり、昼食を挟んで午後からは、録っていたテレビ番組を見たり、読書したりする。自分の時間に充てていた。日々健康な生活をする。朝早起きして仕事をし、夜間は休むといった風に。

 いろいろあったが、時は流れていく。鬱の症状が幾分出ていた。それに夜中目が覚める。精神的に参っているのだろう。ただ、労苦など放っておいても流れ去るのだ。気楽に構えていた。別に気に留めることなく。それに苦痛があってこそ、人生だと思う。そんな割りきりでよかった。周囲や赤の他人が俺のことをどう思っているかなど、分からないのだし……。

 原稿を継続して入稿できているのが、一番いいことだ。「書けない」などというスランプがなくて。(以下次号)


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