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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第36話

     36

 その日も午後九時前には眠った。疲れていたのだし、早寝もいい。最近、体調が今一つだ。夜間はなるだけ休む。そして朝は早めに起き、支度する。

 土曜の朝、午前五時にベッドから起き出して、キッチンへと歩き出す。コーヒーを一杯淹れて飲みながら、食事を作った。朝も何かと体がだるいのだが、何とか起きている。いつも感情が不安定だ。だが、別に構わない。人間、気の移り変わりなどあるのだし……。それに書き手として、いろいろ書くから、感じることもたくさんあった。

 食事を取り終えて、洗面所に行き、洗面を済ませる。そして書斎に入っていった。パソコンを立ち上げて、ネットニュースを一通り読んだ後、作りかけのドキュメントを開き、キーを叩いて加筆する。今日は出版社も雑誌社も休みなのだが、関係なく仕事した。暇はない。特にネット小説は先行して入稿している。俺などまだ仕事があるから、いいのだった。原稿執筆の依頼が来ない作家は、文筆じゃ食えない。

 確かに昔からプロ作家がネット上のサイトなどで大活躍することはあった。だが、それは一昔前――、十年以上前の話で、今のプロの書き手は基本的に商業誌への読み切り・連載や商業出版で活動している。

 もちろん、ネットから出てきた大ヒットもあった。でも、今はどうだろう?そうでもないんじゃないか?むしろ、プロとアマチュアの境界ははっきりしてきた。ここ数年ほどで。やはり作家は新人賞などを獲り、デビューしてから、商業出版で金を稼ぐ――、当たり前の構図が復活しつつあった。

 俺の作品は、雑誌に載ってもパッとしない。知名度がないからだ。ミステリーやハードボイルドの書き手は大勢いる。そのうちの一人としてやっていて、名が上がることはなかった。それでも構わない。自棄になることなく、日々書く。今城など担当編集者は、俺の愚直さを認めていた。

 昼まで執筆し、昼食を取った後、ベッドで仮眠を取る。横になっても、コーヒーでカフェインをたくさん取っているから、深い眠りに落ちることはまずない。転寝だ。ほんの十五分程度。(以下次号)


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