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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第32話

     32

 月曜の夜も幾分早めに眠り、火曜の朝、午前五時に起き出す。何かと気分がすっきりしない。だが、すぐにコーヒーを一杯淹れて、飲んでから朝食を取る。食事はきちんと取っていた。空腹だと、仕事が出来ない。朝はきっちり食べる。

 食事後、洗面所で歯を磨き、顔を洗って書斎へ向かう。そしてパソコンを立ち上げ、キーを叩き始めた。普通の朝だ。気分は優れないのだけれど……。原稿に加筆していく。ネット小説も書き進める。まとめて十二枚一気に書いた。集中力は続く方だ。少ない取り柄のうちの一つなのだが……。

 毎日、同じような日が続くのだが、街には暑さが残っている。十月なのにまだクーラーを使っていた。思う。今年は天候が変だと。台風などは頻繁に来るのだし……。

 別に俺自身、今書いているネット小説が起死回生の一作になるとは思ってない。作家など、何年かやっても、大して売れやしない。出る部数など、単に知名度だ。賞などを獲れば、有名になって部数が出るのだろうが、そこまでして売れたいとは思わない。

 最近読む方が多くて、書斎で寝転がり、本を読む時間が好きだ。もちろん、原稿を書く時はきちんと椅子に座ってパソコンに向かうのだが、普段は楽な姿勢でいることが多い。いつもいろいろ感じていた。室内にはクラシック音楽をBGMとして掛け、常に何かに聞き入っている。

 日々いろいろと感じる。事件モノを書いていても、あくまで情景や描写などは妄想である。それに俺の作品は読者数が少ない。今、やっとネット小説で集客している程度で、そう多くのファン層はないのだ。名が出る書き手じゃなくて、ほんの一部のマニアとか警察小説が好きな人間しか、俺の書くものを知らない。だが、それでもいい。あくまで自分の実人生の方が、虚構の世界よりずっと大事だ。そう思い、日々やっていた。

 俺自身が抱く、小説や文芸に対する基本的な考え方って結局そんなものだ。夢中になれるのはほんのわずかで……。売れないプロは辛い。これと言って、こなす仕事がないのだから……。その日も昼前には仕事を終え、午後からはゆっくりし始めた。録っていたテレビ番組を見たり、読書したりしながら……。(以下次号)


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