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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第31話

     31

 日曜の夜も午後九時を回ると、眠くなってきた。歯を磨いて、ベッドに入り込む。そしてそのまま眠った。疲れは慢性化している。普段から何かと疲労や倦怠を感じていた。夜中に目が覚めることもあったが、トイレに立ったりして、また眠る。

 月曜の朝、午前五時に起き出し、ベッドを出てキッチンへと向かった。コーヒーを一杯淹れて飲み、朝食を作る。食べ終わって支度し、書斎へと向かった。何かとだるい。季節的なものだろう。パソコンを立ち上げて、軽くネットを見た後、キーを叩き始める。書き掛けの原稿に加筆していった。ネット小説の方も進める。現時点でかなり先行して書いていて、安心できた。

 普段独り暮らしなのだが、いろいろある。マンションの隣室の人間が誰なのかは知らない。別に気にも留めてなかった。地方都市だと、人口は少ないのだし、他人の顔などどうでもよくなる。

 午前九時過ぎなどは、原稿を書いている真っ最中だ。キーを叩き、作品を作っていく。昼間など眠いことがある。朝が早いから、どうしても昼寝てしまう。まあ、それもいいと思っていた。部屋に人が来ることは滅多にないのだし……。

 ここは家賃が安く、住みやすさと住みにくさが相半ばする場所だった。同じフロアに作家など俺ぐらいなものだ。皆、勤めなどに出ていて、昼間は静かである。

 スランプはなくても、疲労は積み重なっていた。書けないということはないのだが、書き辛いという時はある。アイディアがたくさんあると迷う。昔からワープロを使って文章を作っていたので、それに慣れている。苦労は多かった。俺自身、どうにもならない、いろんな苦悩があったのだし……。

 だが、考えてみると、四十代は人生の安定期だ。そう思い、仕事する。確かにいろんなことが降り積もってくる。事情があって……。負けてはいられないと思い、歩み続けた。物書きは、やってることが極めて特殊なので、感じることが余計多くなる。

 その日も昼前までに、一日で計画していた原稿を書き終わり、パソコンを閉じた。悩むことは多いのだが、それもあって人間だ。割り切っていた。現実と私生活は綺麗に分けて……。テレビを付け、DVDレコーダーを起動し、録っていたテレビドラマを見始める。ゆっくりと。(以下次号)



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