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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第29話

     29

 一日が終わり、夜になると、眠気が差す。朝が早いから、自然と眠くなる。ベッドに潜り込めば、そのまま寝入ってしまう。日々家にいる生活だ。悪くない。慣れると、心地いいのだ。誰からも干渉されずに……。

 土曜の朝も午前五時に起き出し、ベッドを出て、キッチンへと向かう。コーヒーを一杯淹れて飲んでから、朝食を自炊する。ご飯と味噌汁、それに付け合せで納豆を用意した。ゆっくり食べる。

 食事が済み、洗面所で洗面して支度をしてから、書斎へと歩き出す。パソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。原稿を作る。ネット小説は進んでいた。真面目に取り組んでいる。確かに書いた分だけ原稿料は入るのだし、いずれ晴れて書籍化されれば、売り上げの期待は若干持てた。

 売れないままで来ているので、生活は地味だ。酒もタバコもギャンブルもやらないで、堅実なままで生きてきた。書斎での生活は孤独との戦いだ。孤独に慣れると、今度は倦怠が始まる。そんなことの繰り返しが、俺の中にあった。

 今日は出版社が休みだから、原稿をメールで入稿したら、ゆっくりしようと思う。毎日同じことばかりで、飽きる気持ちがある。だが、売れている書き手は大変だろう。プレッシャーに押し苛まれていて……。俺自身、金銭欲とか出世欲ってほとんどない。ただ、今の生活がずっと続くだろうと思っていた。食える分だけ仕事が来て、それをこなしながら……。

 ネット小説の原稿を三回分の十二枚書き、入稿して、昼までパソコンに向かってから、その後、ゆっくりする。疲れやだるさはあった。秋はそういった季節だ。何かと物憂いのだし……。パソコンの電源を落とし、録っていたテレビ番組を見ながら寛ぐ。コーヒーを淹れ直して飲む。苦いのが好きだ。エスプレッソの味にすっかり慣れている。

 午後一時過ぎに軽めの昼食を取り、それからもゆっくりしていた。合間に仮眠なども取りながら……。(以下次号)



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