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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第27話

     27

 毎日、同じことを繰り返す。朝起き出してキッチンでコーヒーを一杯淹れて飲み、食事を取る。そして支度をした。書斎でパソコンを立ち上げて、ドキュメントを開き、キーを叩いて加筆していく。疲れは溜まるのだが、生活自体規則正しい。朝は何かとだるく、体が重たいのだが……。

 ネット小説は順調に進んでいた。一日に十二枚ほど書き、メールで入稿する。今城は時折メールで連絡してきた。文面にはアクセス数が多いと書いてあり、励みになる。読者が多いということは、書き手にとって一番嬉しいことなのだ。

 朝から正午ぐらいまでキーを叩き、原稿を作る。合間にネットを見たりしていた。情報源が主にウエブなので、欠かさず閲覧する。新聞は取ってなくて、何かと世事に疎くなりがちだ。だが、テレビやラジオを付けてまでニュースを見聞きしようとは思わない。

 コーヒーを一日に何杯も淹れて飲むので、眠気が差すことはない。仮眠は軽く取っていた。基本的に暇なしだ。もちろん、原稿は日々出来ている。俺の稼ぎは原稿料と印税だ。そこら辺りにいるサラリーマンや勤めの人間などより、よほど収入が多かった。逆に言えば、日銭を稼ぎに企業などに勤めに出ることは出来ない。俺自身、通常の人間関係がほとんど出来なくて、ずっとこもりがちだからだ。

 適材適所という言葉があるだろう。作家など、内にこもりたがる人間たちばかりだ。まあ、講演会やサイン会などを精力的に行う活動的な書き手もいるだろうが、そういった人間たちは極稀であり、ほんの一部である。俺には真似出来ない。

 キーを叩き、原稿を打ち続ける。今の努力も将来への布石だ。そう思うと、自然と頑張れる。人生苦しいことばかりじゃない。楽しいこともあるのだ。何か光が見えるような気もする。昔から薄闇ばかり見てきていて、眩しい光を見ることって、そうなかったのだけれど……。(以下次号)


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