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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
241/245

第241話

     241

 ウオーキングを終えて自宅に戻り、シャワーを浴びた。夕食を早めに取り、眠るまでテレビドラマ鑑賞や読書などをして過ごす。午後九時には自然と眠りに就いた。朝まで一度も目が覚めず、午前五時のアラームで起きる。キッチンへと行き、アイスコーヒーを一杯淹れて飲んでから、朝食を取った。

 食事後、洗面して書斎でパソコンを立ち上げる。メールボックスを見ると、先日忙しい執筆の合間を縫って送っていた自作未発表原稿の件でメールが届いていた。どうやら俺の次の仕事はこの原稿を読み込み、やり取りして書籍化することのようだ。文面には、時間を掛けてしっかり練りましょうとある。快諾の返事をし、改めて一度推敲を――と思って読み返し、気になった部分を直していく。しばらくはこの原稿に取り組むことに時間を費やしそうだ。新刊が出たばかりで、幾分戸惑ってはいたのだが……。

 コーヒーを淹れて飲みながら、すでに出版社に送付済みの、新作の原稿の原本を開いて読み返す。細かいところをチェックしていった。疲れることなのだが、これを徹底してやらないと、作品は出来上がらない。

 小説など、書いては削りの繰り返しである。削る分が圧倒して多かった。長年やっていると慣れてしまう。特に三百五十枚とか四百枚ぐらいの長編は削っていきながら、行間にリアリティーを挟み込む。時間を要する作業なのだ。校正というものは。

 それにしても、瞬く間にまた仕事が来た。俺も売れないのだが、ラッキーなのである。企画出版というのは、作者サイドが一円も金を出さないのだし、大抵は新人賞経由でデビューした書き手の特権である。自費出版などとはまるで違う。商業ベースに乗っているわけだから……。

 午前中の時間をフルに使い、原稿の直しをして、キリのいいところでパソコンを閉じた。昼食を取り、軽く休憩して散歩に出かける。外は雨なのだが、傘を差して歩いた。五月も半分が終わろうとしている。時が経つのは速い。いつも痛感することだった。決して原稿に追われ続けているわけじゃないのだが……。(以下次号)


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