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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
238/245

第238話

     238

 散歩から帰ってきて入浴し、汗を流す。夕食を取り、眠るまで録っていたテレビドラマを見たり、読書したりして過ごした。疲れていて、午後九時には寝付く。真夜中に目が覚めてトイレに立ち、また眠った。朝は午前五時に目が覚めて起き出す。コーヒーを一杯口にして、朝食を作り始めた。

 食事を取った後、後片付けし、洗面所で洗面する。書斎でパソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。BGMにクラシック音楽を掛けて仕事する。ネット小説の続きを書き出した。何かとだるかったのだが、疲れていても執筆は欠かさない。仕事だからだ。対価をもらっている以上、投げ出すわけにはいかないのである。

 新刊が出回っていることは、ネットで検索して分かった。初版さえ売り切れるかどうかなので、期待しない方がいいだろう。俺も応分の原稿料はちゃんともらってるから、本が売切れなくてコケてもいいのである。また次の仕事が来るのだ。

 十年以上売れないままで来て、それでも作家業を続ける。俺に出来ることなど、書く以外ないのだ。職能がパソコンぐらいしかないから、あえてそれをやっている。俺自身、対人関係の入り組みの激しい、極一般的な職業に就くことはまずない。向かないからである。そんな仕事、一時間すら持つわけない。作家でも一日持たずに仕事を辞めてきたという人が実に多い。個性が強いから、周りと協調出来なくて、結局勤まらないのだ。普通の職場では。

 俺も個人営業の方が気は楽である。単に原稿のノルマだけでいいのだし……。無用なことを考えずに済む。人間、無用なことは所詮どこまで行っても、無用なことなのだ。考えたくない。常にそう思っていた。向かないことを無理にやる必要はないと。

 その日も午前中いっぱいで仕事が終わり、執筆した原稿をメールで入稿してパソコンを閉じた。昼食を取り、軽く休憩する。そして曇り空の下、傘を差して散歩に出かけた。疲れていても、歩くのは欠かさない。最近、ほぼ毎日ウオーキングしているのだし……。(以下次号)


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