第226話
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散歩から帰って熱めのシャワーを浴び、ゆっくりする。夕食を早めに取り、眠る時間まで録っていたテレビドラマを見たり、読書したりして過ごす。午後九時には寝付き、翌朝午前五時には目が覚めて起き出した。合間に覚醒することもあるのだが、最近夜間はよく眠れている。
コーヒーを一杯淹れて飲み、朝食を作って食べた。後片付けと洗面を済ませ、書斎に入ってパソコンを立ち上げる。ネット小説の原稿を開き、続きを書き始めた。連日、何かと疲れている。気候の変化が体調に影響しているのか?キーを叩きながら、原稿を作っていった。
大きな仕事が終わり、一段落している。新刊はもうすぐ刊行予定だ。初版は少ないだろう。俺の知名度なら、それも売りきれずに終わる。別にそう気に掛けてない。ある意味、文芸作品など、世の中には掃いて捨てるほどあるのだ。俺の本など、書店の片隅に並ぶだけで、決してベストセラーにはならない。
これからネット小説や電子書籍は需要が増えていくと思う。紙の本が頭打ちで、それに代わるものがパソコンや端末で読む作品だからだ。書き手もアクセス数などを稼ぐため、執筆する。それこそ何でもありだろう。文芸も多極化していた。単に本を出すだけという時代は終わっているのだから……。
コーヒーを淹れて飲みながら、ネット小説の原稿を書く。原稿料が入ってくるのだが、基本的に対価は安い。新人賞経由の書き手であっても、そうたくさん仕事は来ない。そんな時代なのだ。仕方ない面もあるのだが……。
計画していた分の原稿を書き終えてパソコンを閉じ、昼食を取った。休憩後、散歩に出かける。外は曇っていたのだが、傘を持って歩いていった。何かしら気分は冴えないのだけれど、歩き続ける。ゆっくりと……。(以下次号)




