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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
221/245

第221話

     221

 散歩から帰ってきて、シャワーを浴びた。夕食を取り、眠るまで読書し続ける。午後九時過ぎには自然と寝付いた。真夜中目が覚め、トイレに立ってまた眠る。午前五時には起き出し、ベッドを出て、キッチンへと入っていく。コーヒーを一杯アイスで淹れて飲んだ。朝食を食べてから、洗面などを済ませ、書斎へと向かう。

 パソコンを立ち上げて、メールボックスに届いているゲラを開き、チェックし始めた。校正しながら、いろんなことを考える。この作品も俺の従来の作風とそんなに変わらないミステリーだ。売れるとは思ってない。原稿料は潤沢に入ってくるのだが、初版を売り切るかどうかの部数なら、印税などたかが知れている。

 作家など、売れない人間の方が遥かに多い。別に俺だって売れたいとは感じてない。昔からずっとそう思っているのだ。売れたら大変なことになる。私生活は滅茶苦茶にされ、地獄を味わうことになると思っていた。実際、俺もこの自宅マンションの部屋に他人が入ってくるだけで嫌なのだ。それだけナイーブなのだった。

 よく実生活をテレビなどで公開する売れっ子作家などがいるようだが、あんなもの意味ない。俺に言わせれば。いくら豪邸建てても、人間の一生など知れてるじゃないか?いつもそう思っていた。どこに住もうが、書ける作家は現役なのだし、書けなくなれば廃業である。それだけの理屈だ。難しいことは一つもない。普段から俺自身、地味にやっていた。いろいろあっても。

 ゲラのチェックが終わって送り返し、思う。もうすぐやり取りも終わり、新刊の発売も近いと。またネットで見ることになる。もちろん、編集者も売れ行きなどを知らせてくれるだろうし、また次の仕事に取り掛かることになる。暇なく執筆が続く。その日も昼食後、散歩に出かけた。疲れを癒すのに、ウオーキングは最適だ。なるだけ歩く。健康のために……。(以下次号)

 



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