第212話
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散歩してから、自宅マンションに帰り着き、シャワーを浴びた。早めに夕食を取り、眠るまで読書し続ける。午後九時には寝付いた。夜間目が覚めてトイレに行く。また眠ってから、午前五時には起き出した。
朝一でカフェオレばかりも飽きたので、コーヒーをブラックで一杯淹れて飲む。そして朝食を作った。何かと朝はだるい。食事が済んで洗面し、書斎に入った。パソコンを立ち上げて、メールボックスのメールを見ると、ゲラの一部が添付して送ってきてある。早速直しに掛かった。
今はネット時代だから、ゲラはほとんどメールなどでやり取りする。細かいところは添え書きがワープロ打ちしてあった。直すのは慣れている。読みながら、作業を続けた。
そう気を張る必要もない。やり取りは完成するまで続くのだし、一、二度で終わるものじゃないからだ。推敲の意味がちゃんと分かっていた。推して敲く――作業を経て、文章を少しでも正確に、読者に読みやすくするのである。出版の基本だった。それに字の間違い程度なら、最終稿を校閲の人間がチェックして、何とかブロックする。もちろん、校閲が見落とすような字の間違いもあるにはあるのだけれど……。
作業に追われ続けた。だが、午前中でその日やると決めていた分の計画が終わる。パソコンを閉じて昼食を取り、昼からはいつものように散歩に出かけた。外は晴れている。ゲラの直しで疲れた頭をウオーキングで癒す。何かと疲労を覚えていたのだし……。(以下次号)




