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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第21話

     21

 ほとんど丸一日自宅マンションにいて、執筆や読書などをしている。変わらない毎日が続いた。別に気にしてない。俺に仕事で大きな獲物が掛かることはない。それに今ぐらいの仕事量でも十分食っていけた。普段から、時間の使い方を考えている。書斎の人間にとって、あくまで無駄な時間は無駄なのだ。

 確かに毎日午前五時には目が覚め、やむなく起き出してから、キッチンへと向かう。コーヒーを一杯ブラックで淹れて飲んだ後、朝食を作る。食べてから一日の支度をし、午前六時半には書斎に入った。パソコンの電源を入れ、立ち上げてから、ネットに繋ぐ。ニュースなどを見、情報を得てから、作業に移る。

 キーを叩き、原稿を作っていく。年齢と共に充実してきているのが、自分でも分かっていた。原稿を打ちながら、いろいろ考える。常に雑念があった。頭の中に。ある方が当たり前だ。俺自身、いろんなことを受け入れながらやる。

 金曜は外が曇り時々晴れだった。書き物しながら、時々コーヒーを淹れ直す。何せ原稿を書きながらも、眠気が差すことがあるのだ。デスクワークは睡魔との戦いである。

 書いて入稿したネット小説も順次アップされていて、アクセス数は多かった。連載が終了すれば、担当編集者である今城も単行本化を望むだろう。仕事において、何かとツキがないから嬉しい。自分で勝ち取ったことだ。これほど喜ばしいことはない。原稿もまとまれば、かなりの分量になると思う。先が楽しみだった。

 人間は本当に何が幸いなのか、分からない。それにいつもベストな状態だ。起こり得ることを最善と考える。そう思うと、気が楽だ。最近、そう感じ始めた。昔から運が悪いことが続いていて、半ばトラウマのようになっていたので……。

 ネット小説はその日もきっちり三回分書き、メールで入稿した。いつものことだ。原稿を早めに送っておくのは。そして昼前にはその日の仕事を終え、書斎で読書し始めた。外はだいぶ暖かい。初秋のような天気だ。暑くなく、冷え過ぎることもなくて、ちょうどいいような……。(以下次号)


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