第203話
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散歩から帰ってきて、シャワーを浴びる。そして夕食を済ませ、読みかけの本を開き、読む。午後九時前には眠りに就いた。疲れていて、すぐに寝付く。真夜中に目が覚めても、トイレに立ち、また眠る。午前五時には起き出し、キッチンに入ってアイスのカフェオレを一杯淹れた。飲みながら、朝食の支度をする。
食事が済み、後片付けをして歯を磨き、洗顔もしてから、書斎へと向かう。パソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。新刊の原稿を綴っていく。最近ずっとこの原稿ばかりなのだが、ネット小説は先の分まで入稿していて、月刊の文芸雑誌の連載原稿も送っているので、今余裕がある。
確かに春の陽気で、昼間は眠くなることがあった。コーヒーを淹れて飲みながら、何とか眠気を払う。仮眠を取ることもあった。どうしても眠い時は。俺だってさすがに人間だから、生理現象には勝てない。睡眠や食事やトイレなど、日常の中では極めて当たり前の行為だ。
連日、仕事を続ける。単調さはあった。作家など、所詮書き物屋だから、パソコンでの執筆作業が続けば疲れる。また、新刊が出る前は忙しくなるだろう。担当編集者とのやり取りが続くと思う。暇はない。もちろん俺自身、知名度がなく、作品も売れてないので、そう気に病むこともないのだが……。
昼前には仕事が終わり、パソコンを閉じて昼食を取る。そしてまた散歩に出かけた。外は暖かく、外出にはちょうどいい。ゆっくりと歩いていく。飲み水をペットボトルに詰めてリュックに入れ、肩から提げて持ちながら……。(以下次号)




