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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第20話

     20

 毎日同じことが続く。変わり映えしない。だが、別に気にしてない。午前五時に起きて朝食を済ませ、洗面してから、書斎に入る。パソコンを立ち上げてキーを叩き、原稿を作っていった。自分のペースは守りたい。鬱が何かしら、障りとなる。

 でも、ある意味、精神病だからこそ、文章などがスラスラ書けるのだろう。俺に対し、他人の理解は全くと言っていいほどない。下手すると、今城など担当編集者ですら、俺に精神疾患があることを知らないんじゃないのか?

 木曜も普通に朝からパソコンに向かう。キーを叩き、ネット小説の原稿を打っていった。夜の新宿の街が脳裏にくっきり浮かぶ。散々書き尽くした場所だったが、未だに俺の中では犯罪の巣窟としてあった。おそらく東京在住の人間でも、新宿は悪の街というイメージが強いだろう。地方に住んでいて、普段からテレビドラマや映画などでしか見ない俺も、あの街はそういった場所だと感じていた。

 パソコンに向かいながら、時折外を見る。曇り空だ。曇天は何かと心を憂鬱にする。キーを叩きながら、作品を作っていった。最近は大抵一日に十五枚ぐらい書いている。多くの労を取るわけじゃない。それに昼過ぎに仕事が終われば、テレビを見るか、書斎で読書する。

 他人の思惑など、どうだっていいのだ。今更俺の作品が売れるわけない。また、創作で金儲けしようなどとも思ってない。そんなことに使う時間がもったいなくてしょうがないのだ。だから、少しでも有意義に使う。

 正午には仕事を終え、午後一時前に昼食を自炊して取った。そして録っていたテレビドラマを見始める。DVDレコーダーには録画した番組がたくさんあった。しばらくは楽しめる。そう思っていた。

 淹れ直したコーヒーを飲みながら、リビングの椅子に凭れかかる。時間が過ぎていった。ゆっくりと。いつしか外は小雨が降っていた。何かと物憂さが増す。天候ばかりは仕方ないのだが……。(以下次号)


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