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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第194話

     194

 適度に歩き、散歩から帰ってきて、シャワーを浴びる。夕食を取り、眠る時間まで読書した。午後九時前にはベッドに入り、休む。疲れていたので、すぐに寝付いた。目が覚めることがあっても、トイレに立ち、また眠る。鬱のためか、睡眠が上手く取れない。だが、午前五時には起き出す。

 キッチンでカフェオレを淹れて飲んでから、朝食を作った。食事を済ませて、後片付けしてから、洗面所で洗面する。午前六時半には書斎に入った。パソコンを立ち上げて、新刊の原稿を開き、キーを叩き出す。

 春の日は何かと眠気が差すのだ。コーヒーを淹れて飲みながら、睡魔を払う。朝はいい時間だった。何もかもがはかどる。俺もいろいろ考えていた。もちろん、執筆のことがメインなのだが、人間は何かを思うだけでも、疲労やストレスの類が徐々に出てくる。

 同業の作家たちが何をしているかは、ネットを通じてぐらいしか知らない。それに儲かっている書き手は、次々と新作を出す。俺など、年間に二作ぐらい新刊が出ればいい方なのだ。派手に金が入ってくることもない。それに蓄財するにしても、わずかな額だ。生活苦はないにしても、ほぼ原稿料だけで食べている。

 毎日、執筆しながらも、時は過ぎていく。出版界での事情など、煩わしいことが多くても、俺自身、自分の実人生は安泰だろうと思っていた。と言うよりも、自分で道を切り開いてきたのだ。これからもそうである。絶えず進むから、疲れることもあった。時折休むつもりでいる。創作ばかりやっていると、疲労してしまう。食事や運動など、合間にいろいろ入れて、日々動いていた。

 その日も昼には一日の仕事が終わり、昼食を挟んで散歩する。気温はそう高くないのだが、外の様子はいい感じだった。思う。いろいろあっても、自分の時間だけは確保して、上手くやっていこうと。街でも一番排気ガスが少ない場所を歩く。辺りは静かでよかった。喧騒は遥か遠くにしかないのだし……。(以下次号)


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