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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第19話

     19

 朝晩涼しい。もう夏も終わりだ。日頃疲れていて、夜間はゆっくり眠る。午前五時起きの生活は続いていた。さすがに疲労は滲む。起きる時は何かとだるい。だが、いったんベッドから出て、キッチンへ行き、コーヒーを一杯淹れて飲むと目が覚める。覚醒したタイミングで朝食を取り、食後洗面した。

 それから書斎へ移動し、パソコンを立ち上げる。軽くネットを見てから、一通りニュースなどをチェックした後、ドキュメントを開き、加筆していく。淡々とキーを叩いた。気分が乗らなくても書く。毎日徹底しているのだ。よほど疲れた時以外は必ず執筆する。別にいいのだ。それだけ思い入れがある。文学や文芸に対して。

 売れなくても、雑誌などに連載を二、三本持っていれば、作家は十分食える。それに今、ネット小説を東部出版のサイトに連載中だ。アクセス数は多い。好調だった。原稿料も当然支払われる。ノーギャラの仕事じゃないのだ。それに俺も報酬のない仕事はしない。そこはせめてもの、プロの意地だった。たとえ、売れないプロであったとしても……。

 毎日流れていく。疲れは溜まっていた。だが、いつも朝が早く、夜も早めに眠る。意識してじゃないのだが、どうしても早く寝てしまう。午後十時には睡魔が襲ってきて、ベッドに潜り込む。規則正しく生活していた。もちろん、昼間は活動時間帯で、無駄なことはしない。

 いろいろ考える。人間だからだ。常に雑念があった。当たり前だ。常に脳は何かを意識している。何も考えないことはない。キーを叩きながらも、いろんなことを思う。創作も一種の感情表現だから、思いがぶつかる。その狭間に生まれるのだ。作品にしても、様々な登場人物にしても、その葛藤にしても……。

 ネット小説の原稿は先に進んでいた。三回分を書き、またメールで入稿する。併せて、出される予定の単行本の原稿や、雑誌連載の原稿なども書く。暇はない。その日も昼までずっとパソコンに向かっていた。執筆が終われば、テレビ番組鑑賞か読書だ。疲れはいくらか癒える。一日の仕事が終われば……。(以下次号)


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