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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
186/245

第186話

     186

 午後二時過ぎには散歩から帰ってきて、部屋で寛ぐ。夕方シャワーを浴びて、早めに食事を取った後、午後九時前にはベッドに入った。そして眠る。いったん寝付いてから、深夜に目が覚めた。起きてトイレに立ち、用を足して二度寝する。午前五時には起き出して、キッチンへと向かった。

 アイスのカフェオレを一杯淹れて飲んだ後、朝食を作る。朝はしっかり食べるのだ。連日執筆が続くのだが、栄養や適度な休息などはきちんと取っていた。

 食事後、洗面を済ませて書斎に入る。パソコンを立ち上げて、キーを叩き始めた。新刊の原稿を執筆する。ハードボイルドは書き慣れていて、十八番だ。デビュー以来、事件モノは数えきれないぐらい書いてきた。別に迷いはないのだ。それに新たな趣向もない。マンネリを重ね続ける。俺の作品を手に取ってくれる読み手はそれでも十分満足してくれていた。同じような場所に、似た風な事件と刑事、それに犯人――、読み手の感覚にも既視感はあるのかもしれないが……。

 考えてみれば、今まで読んできた本でも、一人の作家は似たようなものを量産し続ける傾向がある。どうしても同じフィールド、同じ体験などとなってしまう。それが作風なのだ。別にそれを一々とがめだてする編集者はいないだろう。むしろ作家には自由に書かせたい。そう思う人が多いと、俺自身感じる。多数の編集者と接してきて。俺のマンネリは続いていた。ここ四、五年ほどずっと。読者も似た話だと飽きるかもしれないのだが……。

 昼前にはその日の仕事が終わり、作ったデータを保存してパソコンを閉じる。そして昼食を作り、食べてから休憩した後、散歩に出た。外は暖かく、春の日差しが差している。冷蔵庫で冷やしていた水をペットボトルに入れて、リュックに仕舞い込んで背負い、歩く。街は案外狭い。地方都市で人口も少ないのだし……。(以下次号)


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