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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第174話

     174

 散歩から帰り、早めに夕食と入浴を済ませて、午後九時前には眠る。眠りに落ちて、真夜中に一度目が覚めたのだが、トイレに立って二度寝した。午前五時には目が覚めて起き出す。朝はだるいのだが、キッチンでカフェオレを一杯淹れ、飲んでから意識を覚醒させた。

 朝食を作り、取ってから、歯磨きと洗顔を済ませる。そして書斎でパソコンを立ち上げた。メールをチェックした後、キーを叩き、原稿を作っていく。午前六時半から仕事を始めて、正味四時間ちょっとで仕事が終わる。執筆には苦痛がない。ネット小説や雑誌の連載、それに新刊の原稿なども綴っていった。時が過ぎる。三月の街は暖かく過ごしやすい。

 確かに家で仕事するのにも慣れた。俺が相手するのは、出版社や雑誌社の編集者たちだ。あの人たちは原稿読みの達人である。細かいところまでチェックしてくる。それに編集者がいないと、作品は世に出ない。他作家も必死だろう。思う。小説の書き手も各々特有の労苦があるなと。

 部数が出る作家は、俺なんかよりきついだろう。拙著はほとんど増刷も掛からないのだし、マニア向けなので需要がない。地味に書いていた。サイン会やイベントの類などをやったことがない。その手のことはまるで想像が付かないのだし、ずっと売れずに来ているから、気に掛けることもなかった。このままでいいと思う。作家は売れ始めると、何かときついのだし……。

 単行本の初版の部数は四千部ぐらいだった。それを売り切ることもない。所定の原稿料はもらっているのだが、俺のような書き手も文壇には多い。作品が商業誌に載っても、それ自体売れないのだから……。

 一日に二十枚弱ぐらいの枚数の原稿を書いていた。それぐらい書いていれば、作家業オンリーで十分食べられる。昼にはパソコンを閉じて、ゆっくりし始めた。昼食を作って取り、食事後、散歩に出かける。外は春の日差しだった。幾分眠気が差しそうなので、コーヒーを一杯ブラックで淹れて飲んでから……。(以下次号)

 

 


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