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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第161話

     161

 散歩から帰ってきて、早めに食事を済ませ、入浴した。シャワーを浴びて、髪や体を洗う。疲れていたのだが、また明日も仕事がある。早めに寝床に入り込み、眠った。一晩眠っても疲労が全部取れるわけじゃない。だが、夜は休み、朝起きる。

 土曜も午前五時には目が覚めた。起き出してキッチンへと向かう。カフェオレを一杯淹れて飲み、朝食を作り始める。変わったことはない。いつもの朝だ。食事を取って、後片付けと洗面をし、書斎に入った。午前六時半には仕事を開始する。

 パソコンを立ち上げてキーを叩き、原稿を作っていった。ずっと独りに慣れている。毎日執筆だ。鬱の時は辛い。起きているだけでも、何かと疲れてしまう。だが、基本的に原稿は書く。売れないままで来ているから、著作を出すたびに増刷が掛からず、絶版になったりして悔しいこともあった。

 ある意味、売れない小説家もいいと思えることがあった。周りが騒がないから、自分の時間を潤沢に持てる。売れ出せば、作家のプライバシーや休息などが木端微塵なまでに失われる。そこまでして作品を作ろうとは思わない。単にネットや月刊の文芸雑誌などで連載を持ち、その対価である原稿料を受け取るだけで……。

 原稿を綴っていく。腱鞘炎はあった。指や腕が痛む。もちろん、そんなことは言ってられない。常に原稿を書いている。休憩中にはコーヒーなどを淹れて飲みながら……。コーヒーはブラックで飲めば、健康にいいのだし、擦り切れがちな神経を落ち着かせてくれた。普段から欠かさず口にしている。

 昼間は暖かい。その日も正午を回る頃は、冬の終わりを思わせるような天気だった。昼前に作っていたデータを保存し、パソコンを閉じてゆっくりし始める。食事を取って散歩に行くつもりだった。運動不足だとイライラが募るのだし、外は早春の陽気で活動しやすい。思う。少し早い春の暖気に包まれていると。(以下次号)

 


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