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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第156話

     156

 ゆっくりと過ごしながら、いろいろ考えていて、不安心理も募った。だが、夕食を取り、入浴も済ませてしまうと、やがて眠気が差す。その日も早めに眠り、翌朝午前五時に起き出した。カフェオレを一杯淹れて飲んだ後、朝食を作って食べる。何かしら疲れはあった。だが、一日が始まる時、疲れたなどと言ってられない。

 午前七時前には書斎に入り、パソコンを立ち上げて向かう。キーを叩き、原稿を作っていった。本来なら、鬱の時は何もしたくないのだ。起きているのさえ憂鬱になる。いつかは書かなくなるにしても、それまでは原稿を生産する行為が続くのだから大変だ。俺にとって、書くものが芸術作品であっても、綴っていくのは、単なる作業に過ぎないのである。

 毎日何かと物憂い。スランプだろうか?何か嫌なのだ。現実を見るのが。もちろん、人間だから嫌な思いをするのは当たり前である。何も感じないなどということはない。滅多にこういった心境に陥られないから、対処法が難しい。

 だが、また気が晴れることもあるだろう。何か特別なことをしなくても、感情は流れる。平穏が欲しかった。やはり人間は誰もが淡々とした日々を願うのである。俺だって例外じゃない。

 本来なら相談できる人間が欲しかった。独りで考えると、気鬱でしょうがない。病院での、医師によるカウンセリングなども限界がある。数えきれないぐらい医者と会っていたのだが、あの人たちだって人間だ。全部を解決してくれるわけじゃない。

 鬱のまま、原稿を書き、正午前には仕事を終えた。そしてパソコンを閉じる。午後からゆっくりし始めた。読書などをしながら、寛ぎ続ける。ずっと。(以下次号)


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