第141話
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その日も午後をゆっくり過ごした後、夕食を食べて、シャワーを浴びた。午後九時前には眠る。寝付いてから、明け方まであっという間に時が過ぎ去った。午前五時には起き出し、また一日を始める。
キッチンでカフェオレを一杯淹れて飲み、朝食を作って食べた。食事後、後片付けを済ませて、書斎へと向かう。パソコンを立ち上げて、作りかけのドキュメントを開き、キーを叩き始めた。書き掛けの原稿に加筆していく。ネット小説は三話分ぐらいまとめて入稿していた。いろいろあっても原稿は書く。
毎朝早いから、午後は幾分眠い。合間に仮眠を取りながら、過ごす。疲れは溜まっていた。確かに対人関係は希薄なのだが、日々疲労が出る。執筆も何かときつい。四十代という年代は毎日充実していても、徐々に負の側面も出てくる。辛いところだ。
原稿は出来ている。何かを書くことを本職としたくて、この世界に入った。最近、書くのと並行して、他作家の本も貪り読んでいる。ミステリーは奥が深くて、感じることが多かった。
俺の出す書籍にサイン会などをするだけのニーズはない。だが、それでもいいと思っていた。一作一作念を込めて書いていく。それが結晶して形になるのだ。派手に売文を書くのだけはしたくない。
昼になり、仕事が終わって、パソコンを閉じる。キッチンで昼食を作って取り、ゆっくりし始めた。眠気が差せば、ベッドで眠る。時間は過ぎ去っていく。絶えずずっと。冬の日は冷え込む。暖房を付けているので、部屋の中は幾分暖かい。熱が逃げないよう、扉を閉め切っていた。外は相当寒いだろうな、と感じながら……。(以下次号)




