第128話
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午後の時間を過ごし、夕方になると、食事を済ませて入浴する。疲れていたのだし、早く寝ようと思って、午後九時前にはベッドに潜り込む。そして眠りに就いた。夜間は目が覚めるのだが、トイレに立ち、また寝る。午前五時に起き出すと、キッチンへ向かった。
カフェオレを淹れて飲みながら、食事の準備をする。早起きはすっかり様になっていて、抵抗がない。確かに朝は幾分眠いのだが、時間を決めて行動する。無駄は省いていた。ロスタイムを作らないようにする。
食事後、洗面して書斎へ向かう。だるくても、パソコンに向かえば仕事が始まるのだ。我ながら思うのだが、よくやっている。執筆は欠かさない。それにぼんやりしている暇はない。キーを叩き、次々と原稿を作っていく。
いろんなものに興味があっても、人間が生涯接することが出来るものは限られている。思う。文学や文芸も面白いのだし、散々やってきたから、これからも続けていこうと。
別に各社の担当編集者と話をすることはあまりないのだし、原稿の受け渡しもメールでやるから、気に掛けてない。あの人間たちも大変だろう。ノイローゼになるぐらい仕事があるはずだった。ましてや編集ならまだいいが、校閲など出版社の末端の人間たちはもっときついと思う。朝から晩まで読む字ばかりがやたらと多く、仕事漬けで。
出版社や雑誌社と一口に言っても、いろんな人間たちがいて回り続ける。たくさんの人間に支えられて、作家業をやれていた。そんなことを思いながら、書いていた原稿を読み直し、また書き足していく。これが俺の仕事だ。
所定の原稿を書き終え、パソコンを閉じてからゆっくりし始める。そして昼食の準備をした。自炊して食べる。慣れていた。執筆と同じで。もちろん、午後からは自分の時間なのだが……。(以下次号)




