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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第127話

     127

 その日も午後はゆっくりと過ごし、食事や入浴を済ませて、午後九時には眠った。冬の夜は長い。寝付けない時もあった。軽く夜食を食べて、ベッドに潜り込むこともある。その夜も胃の中を軽く満たして眠りに就いた。

 翌朝午前五時に起きて、キッチンへと向かう。寒い。カフェオレを一杯淹れて飲む。疲れていたのだが、また新たな一日が始まる。朝食を取り、洗面を済ませて、書斎へと入っていった。パソコンを立ち上げて、ドキュメントを開き、キーを叩き始める。

 確かに毎日単調だ。出版社や雑誌社の人間たちとは、メールで連絡を取り合う。以前はマスコミ関係の連中も、何かとウザったい体育会系のやり方で来る人間がいたのだが、そういった輩はほぼいなくなった。小手先の気合のようなものが得意な武断派の人間を、時代や業界が必要としなくなったのである。作家は一際繊細だ。そういった人種に、頭から喧嘩を吹っ掛けるバカはいなくていいのだった。単に煩わしいだけなのだし……。

 俺も今城のように品のいい編集者としか付き合いがない。東部出版は大手だから、皆きちんとした経歴の人間で揃えている。どこの馬の骨やら分からないガサツな人間は一人もいない。それに俺には原稿を書くことしか出来ない。編集者はそれを読み込み、直しなどを入れて、紙面やネットなどの媒体に掲載するのが仕事だ。作家を敵に回すような人間は最初からいないのである。あくまで書き手は客であり、ビジネスパートナーだ。それを怒らせることはまず有り得ない。

 原稿を作っていく。キーを叩きながら……。いつも昼前には仕事が終わる。作っていたデータを保存し、パソコンを閉じて、ゆっくりし始める。頭が疲れた時は、昼食にも味噌汁などを用意していた。基本は自炊だ。変わることなく。

 午後はテレビドラマを見たり、読書したりして過ごす。いつもと変わらない一日だった。外は凍えるように寒いのだが……。(以下次号)


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