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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第124話

     124

 午後は寛ぎ、夕食と入浴を済ませて、午後九時前にはベッドに潜り込む。一度眠りに落ちても、夜中や明け方に目が覚めることがあった。だが、いつも午前五時には起きて、寒いながらも、キッチンへ行く。牛乳を温めて作ったカフェオレを一杯淹れて飲み、朝食を食べながらも、いろいろ考える。

 日曜だが、食事後は通常通り、書斎でパソコンに向かった。何かと疲れていたのだが、キーを叩き、原稿を作っていく。俺にとって休日や祝祭日などは関係ないのだ。出版社や雑誌社が休みでも、仕事する。

 鬱は辛いのだが、抗うつ剤などを飲みながら、凌いでいた。精神疾患など、人間の手かせ足かせの一つに過ぎないだけで、大げさに騒ぐこともない。物書きや文学者など、そういった人間が多いというだけである。

 原稿を作りながら思う。俺もよく仕事してるなと。新人賞経由で作家デビューしていても、直木賞候補など、一度も挙がったことがない。報われない書き手なのだ。だが、仕事は不思議と途切れない。最近、刊行する書籍の初版の部数などもだいぶ抑えられていた。もちろん、それが創作意欲を削ぐのは間違いないのだけれど……。

 合間にコーヒーを淹れて飲みながら、原稿を書く。騒がれない方がいいなと思っていた。騒がれると私生活が脅かされて迷惑なのだ。そこまでして、有名になろうとは考えない。むしろ、今のように無名の書き手でよかった。売れたら売れたで、俺のプライバシーは物の見事になくなるのだし……。

 仕事が終わると、ゆっくりし始める。疲れは溜まっていた。昼食後、本を手に取って読みながら寛ぐ。雨模様の外を幾分気に掛けながら……。(以下次号)


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