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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第11話

     11

 日曜も午後は寛ぎ、自炊して夕食を取ってから、午後十時には眠った。まあ、不足はない。日々やることを無理やり詰め込んでいた。忙しい方がいいのだ。生活も安定していて、仕事もある。頑張っていれば、そのうち芽が出るだろう。そう思い、やっていた。作家の日常生活など普通の人間には想像が付かなくて、誤解されやすいのだが……。

 月曜も朝起きて、コーヒーを一杯淹れ、飲んだ。朝食を作って取る。そして一日の支度をし、書斎に入った。パソコンを立ち上げて、軽くネットニュースなどを見た後、キーを叩き出す。変わらない一日のスタートだった。考えることはいろいろあっても……。

 原稿を綴りながら、思う。これからもこんな毎日が続くのだろうなと。独りきりでも、気を張りながらやっていた。ネット小説の原稿も順調に進む。その日も連載三回分を書き、推敲してから入稿した。とにかく時間の管理が大事になる。合間に上手く食事や休憩などを取り、日々過ごす。

 新たな単行本執筆の打診はあった。俺の場合、単行本自体初版を売り切るかどうかぐらいなので、なかなか文庫化まではされない。もちろん、今後俺の名や作品が売れれば、文庫が出ることもある。市場がどう反応するか、だった。書籍を出すのは大変だ。売れなかった分は廃棄になるのだし……。

 確かに文壇には大御所などもいる。ゴーストライターを雇う人間も多数いた。小説もビジネス書やコミックと同じで、ツボを押さえれば誰でも書ける。長年修行してきた人間は慣れがあるから、書かせれば尚一層上手い。昔からこの世界には代筆などが多いのだ。請け負う書き手はいくらでも知っている。

 同人誌にいて、活動していたから、雑誌というものはよく分かっていた。いろいろな作家が作品を載せる媒体は、ある意味贅沢だ。読み切りにしろ、連載にしろ、書き手の作品が読めるから、依然根強くある。ネットが普及すれば、ネット同人誌といった風に。

 気楽にやっていた。ヒットすることを、過去に何度も諦めていたのだから……。まあ、これからまた何かあるだろう。人生何が起きるか分からないのだし……。(以下次号)


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