第100話
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その日も午後はゆっくりし、夕方、食事と入浴を済ませてから、寛ぎ続ける。幾分疲れていて、午後九時前にはベッドに潜り込んだ。そして眠る。真夜中や明け方に目が覚めるのだが、何とか休めていた。
翌朝も午前五時には起き出し、キッチンへと向かう。気付けのコーヒーを一杯淹れて飲んだ。それから朝食を作る。ご飯と味噌汁、納豆を用意し、食べてから食後にヨーグルトを口にした。
書き物のため、家にこもる生活が続くのだが、そう気に留めてない。書斎でパソコンを立ち上げて、キーを叩き始める。別に変わらない感じだ。確かに単調ではあるのだが……。年中同じような感じでもいいと思っていた。今の静かな生活が、俺にとって一番望むものだからだ。それだけ俺自身、昔から嫌なことが続いたのである。思い出したくもない過去がたくさんあって。
同じようなことを考えるのだけど、作家は売れたら大変である。それこそ、私生活などまるでなくなってしまう。俺自身、そういった事態を避けたかった。あくまで。
キーを叩きながら、原稿を作っていく。仕事ぶりは変化がないものだ。ネット小説も進んでいる。推敲して、出来た分から入稿していった。
昼前には仕事が終わり、食事時になると、キッチンで自炊する。食べた後、ゆっくりし始めた。別に誰かと一緒に食事したりすることはなく、ずっと独りで取る。まあ、売れない作家なら、それはそれでまたご愛嬌なのだが……。
録っていたテレビドラマを見たり、読書したりして過ごす。午後の時間をゆっくりと……。(以下次号)