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心霊怪談百鬼夜行  作者: 八月季七日
7/14

ケース4 ロッカー 

 ○○駅の貸しロッカーにはとあるジンクスがあります。


 チョコレートと願い事を書いたメッセージカードを一緒に入れると願いが叶うっていうありがちなやつ。


本当かどうかはわかりませんが、私の学校でもクラスの女子たちはそう言う話が好きで、しょっちゅう誰かがお願いごとをしに行ったとかいかないとか話をしていました。私もそう言う話は結構好きです。でも成功したとかしないとか、あまりはっきりと効果がでたという話は聞いたことがありませんでした。


「ねぇ、私、好きな人できたの」


 親友のNが昼休み、屋上でお弁当を食べている時に私にそう打ち明けてきました。


「え! 誰々?」


 私もお年頃でそう言う話には興味があります。Nから話を聞くと相手は隣のクラスのJという男子とのことでした。


「……じゃあ、お願いしに行かない?」


 私はNにロッカーのジンクスを話して、誘ってみました。Nは嬉しそうに「うん」と頷いてくれました。本当にジンクスの効果があるのか確かめたかった私は丁度いいと思いました。


 放課後、早速私たちは近所のコンビニでチョコを買い、文具店でメッセージカードを買って駅へと急ぎました。


駅のロッカーに着くと、Nを促してメッセージカードを書かせます。


『J君と付き合えますように』


 可愛らしい字でそう書いたN。嬉しそうにしているNを見て、私は連れてきてよかったと思いました。恋するNはとても可愛かったから。こんな可愛いNから告白されたらJ君もNのことを好きになってしまうでしょう。


 いくつもあるロッカーの内、噂のロッカーは303のロッカー。タイミング良く、今は使っている人がいません。このジンクスが広まってから、ロッカーにチョコを入れる人が結構いて、使われていることがあるので、私は運が良かったです。


 Nはチョコを入れて、メッセージカードを入れます。鍵を掛けて、両手でパンパンと柏手を打って念入りにお願いをしています。


「これで願いが叶うね?」


 私が言うと「そうなるといいなぁ」とNが恥ずかしそうにはにかみました。


 それから数日間、Nは学校を休みました。風邪と言うことでしたが、私は気になってお見舞いに行きました。Nはゲッソリとやせ細り、眼の下にはクマがくっきりと出来ていて、髪の毛も手入れをしていないのかボサボサで、以前の可愛らしさが見る影もないような状態でした。


「夢にね……出てくるの……赤ん坊……」


 Nはうわ言のようにそう呟いています。


「鳴き声が、ずっと、聞こえてくるの……ごめんね……ごめんね……ごめんね……」


 それからずっとNは謝り続けています。


Nは精神を病み、その数日後に精神病院に入院したとNの母親から聞きました。


 噂って本当だったんだぁ。すごいなぁ。


 私は世の中にはやっぱり不思議なことがあるのだと感心しました。例のあのロッカーですが、あまり知られていない噂があります。


 一般的にはチョコとメッセージカードを入れると願いが叶うと言われていますが、実はそれは噂を信じた人が騙されるように悪意を持って流されている噂で、本当はチョコとメッセージカードを入れると呪われるそうです。


 なんでも昔、赤ちゃんを生きたままロッカーに捨てた母親がいるそうで、赤ちゃんは駅員さんがロッカーの放置物を回収するときになって死体で発見されたそうです。ロッカーの中には母親が罪悪感から入れたのか、チョコと『ごめんね』と書かれたメッセージカードが入っていたそうです。


 私はその噂を知っていたので、本当かどうか確かめられてすっきりしました。それに丁度いいことに私の好きなJ君に群がる蠅も処分できて一石二鳥です。


 また、面白い噂はないかなぁ、実験、したいなぁ。




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