太陽のような笑顔
入学式を終え、教室に戻ろうとしたときに、まずクラス全員の顔見渡した。
「ふむ、なるほどな」
やはり、JKからの人気の高校であって、レベルの高い女の子がチラホラといる。
「合格だ」
……それで、男子は……
「まあまあだな」
別に特別イケメーソがいる訳でもない。ブスがいるわけでもない。ふっつーの男共だ。
「ふぅ~」
よし、そんで、だ。
チャラいグループを見つける。これはいわゆるDQN、って奴らと似てる。そんな奴らは、顔を見ればわかる。そういう友達を作っていれば、半分冗談で「私ら付き合っちゃう?(笑)」みたいな感覚で彼女できる。
俺はそれでいい。まずはそこからでな。
クク、いい男をみつけたぞ。
クラスへと行く道の階段内でさっそくダチを作ってやるぜ。
FOOOOOO☆
「よぉ、ブラザー。入学式とかマジだりぃぃよなぁぁ」
それから時は進み、緑の葉がちらほら見られる時期の5月中旬。チャラい感じの悪友はできた。悪友だけだ。
俺にかかれば、友達なんてものは、あっさりできた。友達くらいできなかったら彼女なんてデキやしねぇけどな。
思えば簡単な話だ。俺はピエロを演じた。思いのほかは奴はノリの良い奴で、すっかり今ではダチになっていた。
「やばー、あれだけ高校で彼女作ってやるって生き込んでたのにあれから女子と7回しかしゃべってねぇよ」
もう慣れたこの学校への通学路を初めてできた友人の岡松ノリシゲと恋話をしながら歩いている。
やはり、一番の決め手となったのは会話、それで意気投合し。友達になったのだ。
男子高校生なんてものは、誰でも会話に食いつく。ちょろいもんだぜ。これマメな
そんなわけで、
今では大切な親友だ。まあ実際はノリシゲ自体は俺のことを親友って思っているかはわからないけれど、俺にとっては人生で初めてできた、大切な友人になった。
「それでよぉ、桐島お前、笑美子のこと好きなんだろ?」
笑美子とは、笑顔のかわいいクラスのマドンナのこと。穂ヶと書いて『ほほ』と読み、笑美子とかいて『えみこ』という女子だ。
「ちょっ、バカヤロウ 声が大きいって。 そんなことより、お前はいつになったら好きな子教えてくれんだよ!!」
「穂々笑美子かー。名前のとおり笑顔が美しいよな。まっ応援してやるよ」
俺のことは無視ですか? スルーですか?
ノリシゲが好きな子の名前を教えてくれないのはいつものことだ。
ノリシゲはいつも俺の好きな人ばかり聞いてきて、挙句には俺の好きな人はうっかりバレてしまう始末。まあ、バレてもいいんだけど。
「おう。応援サンキュー、っておいコラ! また話をそらしやがって!!」
そんな恋話をしているといつの間にか学校が見えてきた。
「おぅ? 桐島、やべぇぞ予鈴が鳴った。このままじゃ遅刻だ、走れ!」
「なッ! てめぇやっぱ言わねぇ気なのかよ! ずりいぞ! って走んの速すぎ!」
桐島が追いかける間もなくノリシゲは疾風の如く走って逃げていった。
「ちくしょい」
桐島は道路にある石ころを蹴って言った。
と、フイに後方から声が聞こえた。
「ほんとに速いね岡松君、キミは桐島くん......だったよね?」
桐島は反射的に後ろを振り返った。
そこには先ほどまで話題になっていた穂々笑美子がいた。
「ほ、穂々じゃん。遅いな、遅刻じゃないのか?」
桐島は若干声を震わしながら、あくまで冷静に立ち振る舞った。
「うん、今日は寝坊しちゃって家出るの遅かったから」
憧れの穂々笑美子と話をするのはこれで2回目。挨拶以外にはしゃべったことはなかったので非常にドギドキした。
「走っていくか? もう3分くらいしかないけど」
「じゃあ、桐島君、先行っていいよ。私走るの遅いし」
桐島はある噂で笑美子は50m走を5秒前半で走ると聞いたことがあったが、あくまで噂なので気にしなかった。
「じゃあ俺も、穂々に合わせてゆっくり行くわ。どうせ俺、不良だしな(アピール)」
穂々笑美子は一瞬不思議そうな顔をして、クスッと笑いながら
「ありがとう、桐島くん」
それは太陽のような暖かいほほ笑みだった。
どこまでも純粋で、俺には眩しすぎた。
桐島は今、自分の好感度上昇しまくってんだろ、と考えていた。
だって、あの穂々が俺にほほ笑みかけてくれんだぜ?
「じゃあ、早く教室行こっか」
桐島はこの幸せの時を噛み締めながら
「おう、そうだな」
桐島と笑美子は早足で教室に向かった。
多分これが始まりだったんだと思う。
桐島の人生で最初で最後の恋ってやつが




