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革命の朝チュン

月日は流れた。


そして現在(いま)に至る。


現在4月10日。入学シーズン。高校入学。入学式。学校初日。


つまり、今この時。桐島はめでたく高校に入学したのである。


「母さん、俺もう行くからね! 高校の入学式だからって来なくていいから!」


「そんなわけには行かないわよ!」


桐島は母の言葉を最後まで聞かず、家を飛び出した。

今からでもウキウキしている。ついにこの日が来たのだから。


「うぉおおおおおおおおおおお!!」

ドドドドド、と雄たけびを上げながら通学路を駆けていく青年、桐島。



誠に春の息吹を感じられる季節になりました。

寒かったあのクリスマスシーズンは完全終了し、今新たなる、波乱な人生が幕開けようとしているのだ。


「ついでに俺にも春が恋ぉぉぉぉぉぉい!!(来い)なんつって」


叫ばずにはいられない。



桐島が今日から通う高校、私立、部利(ぶり)高校は、ちょっと変わった名前なのだが、特に悪い(うわさ)などは聞くことはない。むしろ良い噂しか聞かない。

普通の高校より偏差値が60とちょい高めの学校である。徒歩で10分。家からの距離も近く、なによりも桐島がここを志願した理由には、すごく重大な意味がある。


ここ、部利高校には



――か わ い い J K が た く さ ん い る か ら だ。



なぜなら、制服がかわいらしいことで有名なのである。


男からしたら願ったり叶ったりだ。


学校の校風、風紀、友達関係、まあ、そんなことはどうでもいい。


桐島はかわいいJKとの出会いだけを優先し、導き出した結果。この学校に入学した。



いまから、もう期待と不安で胸がドキドキしている。


どんなJKがいるのか楽しみで眠れなかった日もある。


そんな風に一人妄想を膨らましながら、ダッシュで駆けていると5分も立たない内に校門がすぐ目の前に見えた。



「FOOOOO、着いたようだな☆」


桐島はメガネをコンタクトに変え、髪を綺麗に整え、清潔な男子になっていた。


分岐点となったあの日からダイエットと筋トレを始め、もともと身長が高かったのが幸いして178㎝、体重が74㎏と筋肉質な体になっていた。


キーンコーンカーンコーン


「お、チャイムが鳴ったようだ」


桐島はゆったりと自分のクラスを確認し終えると、

優雅に教室に赴き、教室の扉の前に立つ。


別に焦る必要は無い。ゆっくりと行動していい。


ここで深呼吸ひとつ。


「まずは、第一印象だよな、よし!」


桐島は小声でそう言って扉をあけた。


「おぃーっす」

第一声目

桐島チャラい感じのあいさつをした。

ネットの情報によると、女は、なよなよした奴よりかは、チャライ奴がタイプだ。つまりシュミレーション通りにやればいけるはずだ。

日々勉学とチャラさを両立し学んでいた俺に死角はない。

万事オーケーだ。




教室を見回すと窓際の席がひとつ空いていた。


「あ、あそこが俺様の席のようだな」


って、あれ?


他の生徒は全員、背筋をピーンと伸ばし、膝に手をおいてきちんと座っていた。

誰も桐島のあいさつに応答しない。


一瞬にして生徒全員から、恥ずかしめを受けた桐島は、ソサクサと自分の机に向かう。


(俺のことは無視ですか? スルーですか?)



自分の机に向かうとしたそのとき、前に圧倒的重圧を放つ物体があった。


いやそれは物体などではない、それを、ゴリラとよんだら適切か。


そこにはゴリラ級のガチムチ男が立っていた。


男は無言で桐島へと押し寄せてくる。


「てめぇ何、遅れてきてんだよ、ワレ。ん? テメェ俺好みのイケメンだな」


「え? 誰だ。てかイキナリ告白とかマジ辛ぇわ。マジ」


「俺は先生だ」


桐島は内心、マジかよ、こいつホモか、俺そんなのに興味ないのに、と考えていたが、口には出せなかった。


「入学式だ。体育館に集まれ」


「ヘ、ヘイ……」

桐島は担任に挨拶をしながら、空いてる席に近づき、いきなり隣の女子の顔の品定めをした。


「チッ、ブスじゃねぇか」


桐島は小声でぐちった。


しかし隣の女子がブスだったことは桐島の計画の想定内であったのである。

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