魔法使い
語り手の女の子は、小学校3,4,5年生くらいです。
魔法使いは本当にいるんだ
【嘘でしょう?】 みんなは私を笑うけど
十分な理論もないくせに 騒がないで
今に見てろ 魔法使いが飛んでくるから
鍋を煮込む? 山奥に独りぼっち?
違うよ 違う 昔ながらの 妄想なんかじゃない
私をシンデレラにしてくれる
優しい優しい魔法使い あの人の温かい心が
すごくすごく好きなんだ
魔法使いは本当にいるんだ
【小学生にもなって】 みんなは私を軽蔑するけど
十分に理解してくれる人は いなくていい
私の味方は 魔法使いだけなんだから
黒いマント? 怪しげな微笑み?
違うよ 違う 受け売りの 妄想なんかじゃない
私に孤独を忘れさせてくれる
愛しい愛しい魔法使い あの人の傍にいれば
すごくすごく幸せなんだ
私が怪我をすると いつも魔法をかけて 励ましてくれた
それが嬉しくって わざと木から落ちたこともあった
心配そうに私の顔を覗き込む
魔法使いのお兄ちゃんが大好きで…
胸が苦しい この魔法の正体は?
…知ってるよ 知ってる 本当の本当は 魔法なんかじゃない
私のことを解ってくれる そんな魔法使いが大好き