第8話 Brave
VRMMOものを書いていたら投稿が遅れました、氷訝です。
今回は少し長いかもしれません。
後、VRMMOもの、【RankUp-Online】を書きはじめました!読んでいただければ嬉しいです。
最後に、後書きが変なことになっています。どんなのかは見てからのお楽しみで
それでは"第8話 Brave"始まりです
ーーエリュシオン魔術高校、屋上ーー
「璃空、お弁当食べよ!」
昼休み、俺はいつものように昼食を琴音と食べていた。
「悪いな、いつもいつも」
俺がこの学校に入学してから丁度一週間がたった。
いまのところなにも大きな問題は無く、平和な毎日を過ごしている。
琴音は毎日弁当を作ってきてくれる。
理由はしらん。前に聞いたときは「別になんとなくだよ、なんとなく!」って流された。
「お、今日はサンドイッチか」
琴音が出した弁当箱に入っていたのはサンドイッチだ。種類もいろいろあり、量も結構ある。
「いただきまーす」
まずは一口。
「うん、美味い!」
「本当!?」
琴音はかなり料理が上手だ。
小学校の頃も時々家に遊びに行き、料理をご馳走してもらっていた。琴音の両親にはとてもお世話になった。孤児の俺を歓迎してくれたし、服なども買ってくれた。今着ている服は紺のTシャツに薄い黒の上着、前のボタンは止めていない。ズボンは軽い焦げ茶色のズボン。全て琴音のお母さんが作ってくれたものだ。
「ふぅ……」
3つ目のサンドイッチを食べながら柵に寄りかかり、学校の外を見ていた。
この建物は8階建てなのでかなり遠くまで見渡すことが出来る。
「気持ちいいね……」
琴音も隣に来て外を見渡す。涼しげな風が琴音の緑色のポニーテールを揺らす。
風を楽しむかのように目を細める琴音。
──別に見とれてる訳じゃないぞ?
しかし、琴音が下を見下ろした時、その表情が変わった。
「璃空、あれなんだろう?」
琴音がほぼ真下を指差す。
そこは俺たちのいる校舎と学校の端にある外壁の間。いわゆる校舎裏ってやつだ。
ほとんど人目にはつかない場所で人がいることは滅多に無いんだが……そこには約10人程の人がいた。
流石に8階からだとよく見えない。
「琴音、一旦"これ"使うぞ」
「え?あ、うん、いいよ」
琴音に許可をもらった俺は右目に手をかけ、眼帯を外した。
その目が空気に触れた途端、空気がピリピリと張り詰める。
「っ……!」
やっぱり琴音は少し怖いようだ。でも必要な事だから仕方ない。
俺は左目を閉じ、右目でもう一度さっきの校舎裏を見下ろした。
今度は望遠鏡でズームしたかのようにはっきりと様子が見える。
この龍の右目はアングル変更が出来るという便利機能がついている。
この特性は龍の目と同じらしい。
俺が見た先には一人の少女と10人のチャラい男たちがいた。
俺はすぐに琴音の目を隠すように手を当てる。
一瞬ピクッと驚いたように動いたがすぐに俺がなにをするのかを察してくれたようだ。
「闇力術式、【視覚共有】!」
一瞬だけ黒い光が走る。
これは文字通り術をかけた相手に自分と同じものを見せる術。
対象の目元に手を当てている間しか効果はないため戦闘には使えないが俺の右目と合わせて使えば琴音たちにも遠くまで見せることが出来る。
「あの女の子って確か同じクラスの子だよね?」
「あぁ、名前は……なんだっけ?」
どうしても人の名前を覚えるのが苦手だ。琴音がため息をつきながら答える。
「レインだよ、レイン・シルフィード」
「そうそう、んであの男たちは……見たこと無いな」
もう少し見ていると急に男のうちの一人がレインを突き飛ばした。
「…………琴音、ちょい行ってくる」
「え?ちょっと璃空、まって!ここは8か──」
そんな琴音の警告も聞かずすぐに眼帯をつけ直すと柵を越えて飛び降りた。
俺はどうしても仲間が傷つけられるのが許せない。
レインとはまだ数回しか話したことはないが、やっぱり見捨てられない。
吹き付ける風に上着がたなびく。
落下しつつ俺は男たちに手を向けた。そこに展開されるのは黄色の魔方陣。
「雷魔術式、【雷法──「炎帝術式、【炎薙翼撃】!!」──え?」
俺が術を唱える前に3階の窓から誰かが飛び降り、炎の術式を唱える。
「ちょっとまった!帝級なんて使ったら女の子も──」
しかし、そんな警告もすでに遅く、飛び降りた誰かの背中から炎の翼が生え、炎で女の子もろとも一面を薙ぎはらってしまった。
「くっ……雷力術式、【磁場形成】!」
下で燃え盛る炎に巻き込まれないように術で磁場を形成し、壁に張り付く。
しかし、炎を放った張本人は再び赤の魔方陣を展開し──
「炎魔術式、【炎衝爆破】!」
──その魔方陣を炎に叩きつけた
刹那、爆風が発生し、炎をまとめて吹き飛ばした。その中から見えてきたのは地属性の魔術で炎を防いだ男達と全く無傷の女の子だった。
地面に生えた草も女の子の周りだけは円を描くように残っている。
「すげぇ……」
思わず声を漏らす。
術というのは高術位の物ほど扱いが難しくなる。帝級ともなればかなり扱いが難しい。それを一定区間内だけ当てないようにするなんて芸当は俺でも難しい。
スタッと着地する飛び降りた奴。どうやら【炎衝爆破】を使ったのは着地の衝撃を緩めるためでもあったようだ。
そいつは背中に悪魔の羽を生やし、赤黒い肌の男だった。種族は悪魔だな。髪は赤く、オレンジのテンガロンハットをかぶっている。
あいつも見覚えがある。
同じクラスの奴だ……名前は確か、グラン・エクシディス。
「なぁ、あんたら……俺のクラスの奴に手ェ出すんだったら、俺の許可とってからにしてもらおうか」
「テメェ……先輩にいきなり攻撃しといて偉そうな口聞くなぁ?」
あ、あいつらって先輩だったんだ
「俺らに喧嘩売ったこと後悔しやがれぇ!地魔術式、【岩散弾射】!!」
先輩の展開した茶色の魔方陣から野球ボール程度の大きさの岩弾が大量に放たれる。
はぁ……これくらいならグランがなんとかしてくれるか
「炎魔術式、【灼炎障壁】」
期待通りグランは術を唱えた。地面に魔方陣を展開し、それをグランが踵で2度コンコンと叩くと目の前に地面から巨大な炎の壁が生えた。
同じ魔級とはいえ、その強さは歴然だった。
先輩の放った岩散弾射はグランの灼炎障壁に当たった途端、綺麗さっぱり蒸発した。
「ちっ……こうなったら一斉攻撃だ!いくぞお前r「はいはい、そこまでそこまで」あぁ!?今度はなんだぁ?」
一斉攻撃なんて情けないこと言い出した先輩の言葉を遮りながら磁場形成を解除し、グランと先輩の間に入る。
「誰だテメェ?この餓鬼共の仲間かぁ?」
威嚇したように言う先輩、うん、全く怖くない。
「まぁ、俺の事は置いといて、先輩、戦うんだったらしっかりとVSで戦いましょうね?」
「VS……いいぜ!だったらVSで勝負だ、餓鬼!」
グランを指差して偉そうに言う先輩。
偉そうに言ってる割には迫力ないな~……
「はぁ……弱いものいじめは好きじゃないが……いいぜ、相手になってやる」
「へっ!お前一人で俺らと戦うなんて無謀なことするなんてな!」
「あ~、先輩、悪いけど一人じゃなくて俺もいるからな」
なんで俺を無視して勝手に1対10でやろうとしてんすか
今のは少しイラッときた。
「テメェも?まぁいい、それでも2対10だ!テメェらなんかに勝ち目は──」
「──私もいるから3対10ですね、先輩」
ん?この声は──
「琴音!お前もやるのか?」
やっぱり琴音だった。
今、一瞬で俺の横に移動したな。座標転移使ったかな。
「うん、あんまり戦わないと腕鈍っちゃいそうだし」
「また餓鬼が……めんどくせぇがいいぜ、3人まとめて潰してやらぁ!」
そう言い残して先輩達は去っていった。
俺の言葉に普通に乗ったな……
「あ、あの!」
後ろで座り込んでいた黒髪長髪の少女、レインは先輩達が去っていったと同時に叫んだ。
「どうした?」
そう言うのはグラン。
それに対してレインは、
「あ、そ、その……ごめんなさい!」
思いっきり頭を下げた。
「別にいいよレインちゃん、私たちもああゆう人嫌いだし、ね、璃空?」
「ん?あぁ、そうだな、一発思い知らせてやらなきゃな、って訳だ、別に謝らなくていいぞ、俺らが好きでやったことだし」
その言葉を言うとレインはまた少し申し訳なさそうな顔をした。
その後、ここに居ても疲れるだけだぞ、とグランに言われ、俺達4人は教室へ戻った。
途中、レインはあまりしゃべらなかったが、また、ごめん、と言ってきた。
あんまり人と話すのが得意じゃないのかな?
放課後、連絡が入り、俺たちは闘技場へ向かった。
ーーエリュシオン魔術高校、学園長室ーー
「学園長、《Fast-Brave》と《Fourth-Brave》が《Third-Brave》、さらに《Fifth-Brave》と接触しました」
「ようやくか、なにか起きたか?」
「はい、《Fast》《Third》《Fourth》の三人が《Fifth》を庇い、2年の10人組と決闘をするようです」
「3つの《Brave》が共闘………面白いことになりそうだ」
「……?学園長、どこか行かれるのですか?」
「ちょっと観戦に……な」
璃空
「始まりました!究極的に誰得なコーナー"術式紹介"!」
氷訝
「はい、璃空、開始早々誰得とか言わない!まぁいいや、進行は作者の氷訝と」
璃空
「俺、如月璃空と」
琴音
「私、柊琴音でお送りします!」
氷訝
「えっとこのコーナーでは──」
璃空
「このコーナーでは"鱗術を継ぐもの"の劇中ででた魔術を1話につき、1つずつ紹介していく」
琴音
「それでは早速どうぞ!」
氷訝
「どうぞ!じゃねぇぇぇ!なに割り込んどいて勝手に進めてんだよ!」
璃空
「だってあんまり長いと読者の人、読む気失せるぞ」
琴音
「それに元々こんなコーナー読んでくれる人いるかどうかもわからないのに」
氷訝
「言うな……気をとり直して、記念すべき一つ目はこれだ!」
【龍鱗之理】
属性:龍 術位:将
琴音「璃空が、学年首席の人と戦った時、最後に使った術だね」
璃空
「あのときは最大出力で撃ったから必殺技みたいになってたけど実際は俺のよく使う術で威力も特別高くはないぞ。まぁ、龍属性だからそこそこ高いが」
氷訝「見た目はただの紫色の光線だ。今後いろいろあるんだが……ネタバレになるのでお楽しみで」
璃空
「ふぅ、こんなもんか」
氷訝
「二人ともお疲れさま~」
琴音
「あの~、やっぱり思うんだけど……誰得?」
氷訝
「……………」
ダッ……!
琴音「あ、作者が泣きながら逃げた」
璃空
「めんどくさ……龍将術式、【龍鱗之理】!」
ズドォーン……
琴音
「作者が吹き飛んだところで次回予告です!」
璃空
「先輩10人と戦うことになった俺達、人数的には圧倒的に不利だが?──次回、"第9話 不死鳥と龍光"」
氷訝
「って、殺す気かぁぁぁぁ!!!」
璃空&琴音
「あ、生きてた」




