第肆話『鮫ヶ尾城炎上』 上杉景勝 × 直江兼続
【今回の戦国マンは、この二人!】
上杉景勝
越後の龍といわれた軍神上杉謙信の甥で、後に養子
となる。謙信の急逝後、同じく養子だった長尾景虎
との家督争い=御館の乱※に勝利、名実共に上杉家
を継ぐ。一時は織田信長と対立して、滅亡寸前まで
追い込まれるが、本能寺の変で信長が急死して九死
に一生を得る。その後は豊臣秀吉配下となり、越後
八十万石から会津百二十万石に加増移封。五大老の
一人に任ぜられる。秀吉の死後、関ヶ原では西軍に
加担したため戦後に徳川家康から出羽米沢三十万石
に減封されるが、直江兼続に支えられ、時代の荒波
を乗り切って上杉家を存続させる。
直江兼続
上杉謙信と景勝に仕えた知勇兼備の名将。幼少の頃
から景勝の小姓として主従の絆を深める。御館の乱
で景勝が勝利した後は上杉家の家老となる。秀吉の
死後、五大老筆頭の徳川家康から景勝謀反の嫌疑を
かけられるが、激烈な内容の「直江状」を送り付け
上洛も申し開きも拒否。激怒した家康は会津征伐を
強行。しかし行軍中に石田三成が西軍蜂起、家康は
西へ転進して関ケ原の合戦に至る。一説では兼続は
三成と交友があって、兼続が家康を挑発して会津に
誘い出した隙に三成が挙兵する密約があったとも。
越後。夜。鮫ヶ尾城。大手門※前。
北国街道沿いの鮫ヶ尾城を、上杉景勝方の将兵が、
十重二十重に取り囲んでいる。
城内から火の手。大手門前に陣を敷く景勝の目にも、
空を舞う火の粉が映る。
景勝が傍らに控える直江兼続を振り返る。
「与六、あの火は……?」
「は。堀江殿が二の丸※に火を放たれたかと。
刻限※も約定※の通りなれば」
「堀江だと? つい先月まで、三郎※と共に我らに弓を
引いていた、あの堀江駿河守宗親が、かくも易々と
寝返ったと申すか?」
「既に城を出て、此方に合流しておりましょう」
「むぅ…… どのような奇策を講じた? 申してみよ」
「何の…… 安田景元殿を通じて、若のお言葉を説いて
聞かせたまでにございます」
「わしの言葉?」
「御意。もはや、この戦の趨勢は決した。今からでも
味方に付くならば、旧来通り、家臣として取り立て、
禄も召し上げぬ。されど、なおも逆賊ばらに付き、
敵に回る所存ならば、一族郎党悉くその首を刎ね、
根絶やしとされることを覚悟せよ、と」
「待て。わしは確かに、投降を促せとは申し付けたが、
左様に脅しめいたことは申してはおらぬぞ?」
「堀江殿がご決断に迷われぬよう、与六めがいささか
言を補いましてございまする」
「ふん…… とまれ駿河守の返り忠※で、三郎方が窮地に
陥ったことは間違いなかろう。負けを悟った三郎が
腹を切らぬ内に、城内に攻め入り、取り押さえねば…… 」
「若…… 何を仰せでございます? 取り押さえる?
三郎様を?」
「如何にも…… 彼奴の望み通り、道満丸※を人質として
わが手元に置くことと引き換えに、命だけは助け、
小田原へと追放する…… 無論、華と母上も、わしが
春日山城に引き取る」
「若。つまりそれは、和議を受け容れるということに
ございますか?」
「憲政※様が直々に仲裁に立たれたことだ。不本意では
あるが、無碍にもできまい」
「これはしたり…… 」
「それにしても、己から和議を申し入れておきながら、
今だ抵抗の手を緩めぬとは、三郎め、何を血迷うて
おるのか……? その口から真意を聞かねば、わしも
気が収まらぬ」
「若…… 畏れながらそのことについて、申し上げたき
仕儀がございまする」
「ん? 何だ、改まって?」
「道満丸様は、すでにこの世にはおられませぬ」
「な、何だと…… !?」
「迎えに参った者共が、御下知を聞き違え、引き渡し
の場にて、道満丸様を手打ちに……」
「ば、馬鹿な! 憲政様もその場におられたはず……
どうなさっておられたのだ?」
「それが、憲政様も斬り殺され、道満丸様ともども、
屍を四ツ屋峠に晒しておられるとの由」
「どのような行き違いがあったのだ? その者共を、
即刻この場に連れてまいれ!」
「それが生憎と両名とも、ただちに逐電※し、杳※として
行方が知れませぬ」
「ぬぅ…… 何たること。では三郎が籠城して、なおも
戦い続けておるのは…… ?」
「御意。もはや和議相成りがたしと、覚悟をお決めに
なられたからに相違ございませぬ」
「慮外※な…… 」
「かような失態に至りし咎は、全て某が負う覚悟…… 」
「与六…… これは…… おまえの仕組んだことか?」
「何を仰せになるかと思えば、左様なお戯れを…… 」
「とぼけるな! おまえ一人の謀かと聞いておる!」
「それをお聞きになって、如何なさるおつもりで?」
「よいから答えよ!」
「一人ではございませぬ。仙桃院様と度々繋ぎをとり、
密かにご相談申し上げました。上杉の行末を案じて
の事とあらば、与六の思うがままに事を運ぶべし……
との仰せにて」
「母上が? されど道満丸は、母上の孫ではないか!
孫を殺しても構わぬと仰せであったか!?」
「御意。若のお治めになる越後に、三郎様の血を引く
道満丸様がいては、いつか再び此度のような騒乱を
招くやも知れぬと、深くご懸念されておられました」
「ならば道満丸を、三郎と共に追放すれば事足りよう!
家督の為に、まだ十歳にもならぬ童の命を奪ったと
あっては、喜平次、末代まで外道の謗りは免れぬわ!」
「詮無きことを申されますな。先々の禍根は、早めに
絶っておくに如くはございませぬ」
「されど、山内上杉家の当主、憲政様まで手に掛けた
とあっては、いっかな言い逃れはできまい!」
「すでに各所に軒猿※を放ち、前関東管領を殺めしは、
三郎様がご家来衆との噂を広めてございますれば、
ご懸念は一切ご無用かと」
「何と狡猾な…… 与六…… 此度の戦で、おまえは……
変わったな」
「はて…… 変わったと申されますと?」
「わしと共に御屋形様の薫陶※を受けて育ったおまえは、
常に清廉潔白を心掛け、卑怯な謀を、何よりも軽蔑
していたはず。それがどうだ、今のその策士ぶりは…… 」
「全ては御屋形様が遺されたこの越後を、若に継いで
いただくため…… それに策謀は古来より伝わる正統
の兵法なれば、後ろ暗きことなど何もございませぬ」
「だが、義はどうなる? 形振り構わず、血腥い謀略
によって家督の簒奪を図る我らに、義はあるのか?
亡き御屋形様にどう申し開きを致す。答えよ、与六!」
「目をお覚まし下され、若…… 端から越後に、義など
ありはいたしませぬ」
「な、何を申す!? 貴様はわしばかりか、御屋形様
まで愚弄するつもりか!」
「若、まずはお聞きくだされ…… 長尾政景様のことに
ございます」
「何だ、藪から棒に? わが父上がどのような関わり
があると申す?」
「政景様は御屋形様と家督を争って破れ、後に野尻池
で殺されました」
「違う! 舟遊びをなさっていた父上と宇佐美殿が、
酒に酔うて舟から落ち、溺れたのだ」
「しかし仙桃院様は、政景様のお亡骸のお背中に刀傷
があったのを覚えておいでです」
「何かの間違いだ。家督は争うたが軍門に下って後は、
父上は誰よりも御屋形様へ忠義を尽くされた。姉婿
でもある忠臣を、何故にわざわざ殺さねばならぬ?」
「喜平次様をご養子に差し出すことを、政景様が固く
拒まれたからに外なりませぬ」
「何…… わしを?」
「姉君である仙桃院様のことを、幼き頃より想い人の
如く慕われていた御屋形様は、仙桃院様のお産みに
なった若にも強き執着をお持ちで、お手元に置かれ、
自らお育てになりたいと切に望んでおられたそうに
ございます」
「黙れ! わしがお屋形様の養子に迎えられたのは、
父無し子となった甥を、深く哀れんでくだされた故の
ことだ。左様に愚劣な作り話など聞きとうもない!」
「作り話ではござりませぬ。その証拠に、もうお一方、
同盟が反古になったにも関わらず、小田原へと追い
返されるどころか、人質の身から養子となられた方
がおられましょう?」
「三郎のことか。お屋形様は三郎にも執着されていた
と申すか?」
「御意。関東無双の美丈夫を、何としても手放したく
はなかったのでございましょう。さればこそ、養子
が二人いては遅かれ早かれ、跡目争いが起こること
など目に見えていたにも関わらず、華様を娶らせ、
あまつさえ、景虎の名乗りまでお許しになられ……
挙げ句が、此度の戦……」
「違う、断じて違う! 御屋形様は、毘沙門天に帰依※
され生涯不犯※まで誓われたお方だ。益体もなき執着
の煩悩などから、もっとも遠い境地におられたのだ!」
「お言葉ながら御屋形様の執着心は、かの織田信長様
や、武田信玄公にも勝るとも劣らぬ、業の深きもの
であったかと、与六は愚考いたしまする」
「そこまで申すか…… では聞こう。生前に御屋形様は、
織田や武田のように、天下を睥睨し、他国に非道な
侵略を仕掛けられたことが、一度でもあったか?」
「それは…… ございませぬな」
「そうであろう! 出兵いたすは、救いを求められ、
不正を正さんとなされるときのみ! これが我欲を
捨て、真理を究められた、お屋形様の第一義である!
違うとは言わせぬ!」
「若…… 畏れながら、本末が転倒してございますれば」
「何だと?」
「戦に勝ち、敵の領地を切り取ったところで、我らは
冬には越後に戻らねばなりませぬ。深き雪が、越後
から彼の地までの糧道※を絶つからです。その間に、
降伏したはずの敵は再び我らに離反し、春にはまた
一から戦をやり直さねばなりませぬ。さればとて、
敵地に長々と逗留していては、冬の間に国人衆※が、
御屋形様の留守を良いことに、謀反を企てまする」
「ち、違う…… 違うぞ…… !」
「負け戦が皆無であったにも関わらず、越後は版図※を
殆ど広げてはおりませぬ。如何に戦に勝とうとも、
かような仕儀にては、領地を広げる術などなかった
からに他なりませぬ」
「違う! それは御屋形様が、他国を侵すことを潔し
とされなかったからだ! では、川中島はどうだ?
あれこそ御屋形様なればこその、義の戦であった!」
「されど、五度にもわたって彼の地に出兵しながら、
我らは結局、何も得てはおりませぬ」
「何を申す! 上杉の義の心が、最強を謳われた武田
軍団の侵攻を防ぎ止めたのだぞ。天下に轟いた評判
と名声こそ、我ら上杉が得た最大の褒賞であろう!」
「越後の民草は、評判と名声では腹も膨れず、暮らし
向きも良くならぬことを、痛い程に知っております。
他国を救うために大事な男手を戦場に駆り出され、
収穫の大半は兵糧に供出させられ、仮に戦に勝った
ところで、出世も褒美も望むべくもない。義の理念
や実践と、民草の実情や本音とは深く大きな隔たり
があるのございます。現に、越後ほど謀反や一揆の
多い国も、他にはございませぬ」
「さ、されど、それは…… 」
「若…… 越後には義があったのではございませぬ……
ただ、義の旗を高々と掲げられ、何人も逆らえぬ、
毘沙門天の化身がいらっしゃっただけにございます」
「お、同じことだ! 越後の義とは御屋形様をもって
体現されていたのだ!」
「御意。されど…… 生憎と若は、毘沙門天の化身では
ございませぬ」
「ぬ…… 何だ? 何が申したい?」
「若が徒に義の旗を掲げても、従う者は誰もおらぬと
申し上げているのです」
「わ、わしは、お屋形様の足元にも及ばぬと申すか?
では、三郎はどうだ?」
「三郎様はあの通り見目麗しく、名家のご出身なれば
人品も高潔で申し分なし。まこと御屋形様の後継者
に相応しきは、誰がどう見ても、三郎様かと」
「よ、与六ぅ……き、貴様は一体、どちらの味方だ!」
「最後までお聞きくだされ。然り、お屋形様の後継者
に相応しきは、三郎様でございましょう。されど、
上杉の家督を継ぎ、越後を治める器量のあるお方は、
若を措いて他にはございませぬ」
「何を申す? 後継者となるのと家督を継ぐのとは、
同じことではないか!」
「否、断じて違いまする」
「ええい、じれったい。まるで禅問答だ! つまり、
どういうことなのだ? 与六は何が言いたい?」
「三郎様は、お屋形様を神であるかの如く崇拝され、
その話し方や立ち居振舞いまで、まるで御屋形様が
乗り移られたかのようだと、もっぱらの評判…… 」
「そうだ……三郎は誰よりも御屋形様に傾倒していた」
「故に三郎様が後継者となられた暁には、御屋形様と
同じなさりようで、越後を治めようとなされるはず。
家臣も民草も、御屋形様が生き返られたように思う
やも知れませぬ」
「そういうこともあろう。それのどこに不都合がある?」
「ようお考え下され。お屋形様が身罷られた※ことで、
越後の民草は悲しみや不安よりも、ようやく義の戦
から解放されたと密かに安堵に浸っておるのですぞ。
これで三郎様が家督を継ぎ、義の戦が再開されれば、
民草の落胆や失望は計り知れませぬ」
「何ということを…… 御屋形様に無礼千万であろう!
与六、口を慎め!」
「某、民草の本心を在りのままに申し上げておるだけ
にございます。見返りなき義の戦など、あたら蓄え
を費し領民を疲弊困窮させるだけの、空しくも理不尽
な愚行でしかありませぬ」
「与六、よさぬか…… 兵が聞いておる」
「かまいませぬ。この者どもは義の戦に塗炭の苦しみ
を強いられてまいりました。誰よりも若…… 若こそ、
もっとも義の戦を、忌み嫌うておられたのでは?」
「与六…… 分かった。もうよい」
「よくはございませぬ。雪の三国峠で、義の戦に駆り
出された上田衆が、何十人も凍え死んでいったこと、
よもやお忘れではございますまい? 足を滑らせ、
谷底に転げ落ちる兵の悲痛な叫び、今も与六の耳に
こびりついて離れませぬ。関東への度重なる出兵で、
どれだけの同胞を、無駄死にさせてきたことか!」
「もうよい…… よいと申しておる。おまえの気持ちは、
よう分かった。落ち着け、与六…… 涙を拭け」
「い…… いささか気持ちが高ぶり、言葉が過ぎました。
無礼の儀、ご容赦の程を」
「いつものことだ。気にするな」
「今やこの乱世も、群雄割拠から天下統一へと大きく
うねり始めておりまする。時局を弁えずに旧弊な義
の戦など続けていては、早晩※、越後は滅しましょう。
御屋形様に帰依される三郎様では、この滅びの道が
継承されてしまいまする。若が三郎様を討ち果たし、
御屋形様が紡いでこられた義の呪縛を断ち切るしか、
もはや越後を救う手立てはございませぬ」
「うむ。義の呪縛…… わしも、それに囚われておった
のやも知れぬな」
「或いは、軍神の、底知れぬ執念と、矜持…… 」
「もうよい。申すな。二度とあの轍は踏まぬ※」
炎上する鮫ヶ尾城内で死闘が繰り広げられている。
景勝方が景虎方を、徐々に圧していく。
「与六…… 世間はこの喜平次を、御屋形様の義に背き、
兄弟を殺し、私欲で家督を奪い取った卑劣漢として、
後世に語り伝えてゆくだろうな」
「何の…… 泥に塗れ、後ろ指を差されようとも、
歯を食い縛り、生きて、生きて、生きてさえおれば、
いつか真が伝わり、悪名を覆すことも叶いましょう。
まずは生き残ることが、何よりも肝要にございます」
「されど、わしは三郎が嫌いではなかった。今もまだ、
殺すには惜しい男と思うておる」
「御意…… かくなるうえは、三郎様を、気高く高潔に
死なせて差し上げることこそ、我らになし得る、
せめてもの手向けかと存じまする」
「そうか、そうだな。それにしても、与六、此度の戦、
なぜ勝てたと思う?」
「それは…… 春日山城本丸の金蔵をいち早く押さえ、
その金で武田を味方に引き入れたからか、或いは、
御館への北条の援軍が、雪に来着を阻まれたからか」
「違うな。難しく考えたがるのは、おまえの悪い癖だ」
「ほお…… さまでに仰せになるからには、若にはなぜ
勝てたか、仔細がお分かりなのでございましょうな。
与六、是非ともご高説を賜りたく存じ上げまする」
「ふ…… 単純な話よ」
「はて、単純とは?」
「三郎は孤立無援だったが、わしには、おまえがいた。
それだけのことだ」
「 ……若…… 」
「与六。全軍にわが下知を伝えよ。明朝卯の刻※より、
鮫ヶ尾城本丸へ総攻撃を開始する。目指すは三郎の
首一つ。将兵は言うに及ばず、女子供であろうとも、
城に残る者どもは容赦なく、撫で斬りに斬り捨てよ。
三郎の味方は、唯の一人も生かしておいてはならぬ。
上杉三郎景虎を、跡形もなく滅するのだ。良いな?」
兼続「はっ…… 仰せのままに!」
戦の喊声の中を、二の丸が爆ぜて焼け落ちていく。
※脚注
御館の乱
天正6年( 1578年)上杉謙信の急逝後、謙信の養子
である上杉景勝と上杉景虎の間で起こった、家督を
巡る越後の内乱。御館とは生前に謙信が関東管領の
上杉憲政を越後に迎えたとき居館として春日山城下
に建設した広大な屋敷であり、謙信が政庁としても
使用していた。春日山城から脱出を余儀なくされた
景虎は、妻子と共に御館に立て籠ると、一年近くも
景勝方と激しい抗争を繰り広げるが、最後は敗北し
自刃して果てる。跡目争いに勝利した景勝はその後、
天下人豊臣秀吉の五大老となるが、秀吉の命で越後
から会津へ、更に関ヶ原のあとは徳川家康によって
米沢へと移封されていくことになる。
大手門
城の二の丸、三の丸などの城内区画=曲輪へ通じる
出入り口に設けられた正門。
城によっては追手門とも。裏門は搦手門といわれる。
二の丸
城内で二番目に重要な曲輪。
城外から中心の曲輪から本丸に至る道順に位置する。
刻限
指定した時刻、定刻。
約定
約束して取り決めを結ぶこと。契約。
三郎
長尾景虎の幼少時の名前。通称。北条三郎。
趨勢
今後の成り行きを示す目安として現在の状態。
成り行き。趨向。
禄
武士の給与。
返り忠
主君に背いて敵方に通じること。裏切り。
道満丸
上杉景虎の嫡男。
憲政
山之内上杉家15代当主。長尾景虎(後の上杉謙信)
を養子に迎え上杉家の家督と関東管領職を譲った。
逐電
逃げて姿を隠すこと。
杳として知れず
はっきりと分からない。
慮外
思いがけないこと。その様子。または無礼なこと。
軒猿
戦国期における新潟・冨山地方での忍者の呼称。
上杉謙信配下のものが有名。
薫陶
(香を焚いて香りを沁み込ませたり、
土を捏ねて陶器を作ることから)
人徳や品位で人を感化して、良い方向に導くこと。
帰依
神仏や高僧など優れた者を信じ、拠りどころとする。
生涯不犯
仏教の戒律を守り、一生を異性と交わらないこと。
糧道
食糧を運ぶ道筋。あるいは、食糧を手に入れる方法。
国人衆
その国の武士。 国衆とも呼ばれる。
幕府任命の守護と異なり、在地性が強い。
版図
国の領域。領土。勢力範囲。
身罷る
(この世から身が罷り去るの意味で)
死ぬ。死去する。
早晩
早いこと、遅いこと。遅かれ早かれ。
轍を踏む
(前の車が通った後の轍を辿ることから)
前の者と同じ失敗をすること。
卯の刻
午前六時
不覚にもお猿さんに笑っちゃった上杉エコルン景勝
【作者贅言】
謙信が脳卒中で倒れて昏睡状態に陥り、二人の養子の
どちらを後継者にするか明言しないままに死んだので、
絵に描いたような後継者争いの御館の乱が起こったと
言われていますが、一説には謙信はちゃんと後継者を
指名していたというか、臨終の床で歩み寄った家老に
どちらかの名前を耳打ちしたらしい。しかしまあ当然
ながら選ばれなかった陣営は納得できないから、いや
今言ったのうちの殿の名前だったじゃんとクレームを
つけて揉めに揉めて、国を二分する天下のお家騒動に。
そもそも名前がややこしいですよね景勝と景虎ですよ。
「御屋形様、家督はどちらにお譲りになられます?」
「か、か……景…… (ガクッ)」
どっちやねーーーーーーーーーん!?
直江エコルン兼続「侍者奏達 恐惶謹言 with LOVE」
☆予告☆
次回「戦え!戦国マン」は【御館の乱】二部作の後編!
上杉家督争いを景虎サイドから描く『越後の雪』です!
登場する戦国マンは上杉景虎 × 北条氏照の兄弟コンビ!
「愛ある限り戦いましょう。命、燃え尽きるまで!」




