「すすき野原を歩いて」
秋風に揺れるすすき
ある休日の午後。
「先生、近くの河原がすすきでいっぱいですよ」
美咲の言葉に誘われて、みんなで出かけることになった。
河原一面に広がるすすき野原。
白銀の穂が風に揺れ、太陽の光を受けてきらきらと輝いている。
秋の空は高く澄み渡り、どこか懐かしいような静けさが漂っていた。
動物たちとすすき
ベルは女の子と一緒に駆け出し、ふわふわのすすきを追いかける。
「待って〜!」と笑う声が野原に響いた。
リクはゆったりと歩き、背の高いすすきの間で時折立ち止まる。
風にそよぐ穂の音を耳で感じているようだった。
チャイは飛び跳ねながら穂をかじろうとし、モカに首を引っ張られる。
「やめなさいってば!」と飼い主夫婦も苦笑する。
ユキは穂が揺れるのを目で追いながら、静かに草の間を歩いていた。
小さな発見
「ほら!」
女の子が指差す先に、小さなバッタがすすきの茎に止まっていた。
ベルが鼻を近づけると、バッタはぴょんと跳ねて消える。
ベルはびっくりして尻尾を振り、女の子は大笑いした。
リクは遠くの空を見上げ、渡り鳥とは違う小さな群れをじっと眺めている。
チャイは相変わらず走り回り、モカはついていくのに大忙し。
ユキはすすきの間に座り込み、しばらく動かず風を感じていた。
すすき野原の静けさ
しばらく歩いたあと、みんなで腰を下ろした。
すすきが風に揺れる音と、川のせせらぎが重なり合い、心が落ち着いていく。
「稲穂や紅葉とはまた違う景色ですね」
美咲が言う。
私はうなずきながら、すすきの穂が夕陽に染まっていく様子を見つめた。
ベルは女の子の膝に頭を乗せ、リクは静かに横になった。
チャイとモカは少し離れた場所でじゃれ合い、ユキは草の上で香箱を組んでいた。
夕暮れの帰り道
太陽が沈み始め、すすき野原が黄金色から茜色に変わっていった。
「きれいだね」
女の子の声に、みんながしばし足を止めて空を見上げる。
秋の一日が、静かに終わろうとしていた。




