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動物病院日誌   作者: 匿名希望


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「ドングリ好きの小さな訪問者」

小さな来訪者


病院の庭先で落ち葉掃きをしていると、

カサカサと音を立てて小さな影が走り抜けた。


「先生、リスです!」

美咲が声を上げる。


茶色の毛並みをしたリスが、口いっぱいにドングリをくわえ、

病院の玄関前まで来て立ち止まった。


その様子にベルが「わん!」と吠えると、

リスは驚いてドングリを落とし、慌てて拾おうとした。


みんなの反応


ベルは興奮して前へ出ようとするが、女の子にリードを引かれて我慢。

リクは穏やかに座り、リスを見つめている。

チャイは大はしゃぎで飛びかかろうとし、モカが必死で押さえる。

ユキは窓辺から見下ろし、尻尾をふわりと揺らしていた。


「この子、病院に入ってきちゃいそうですね」

美咲が少し心配そうに言う。


ドングリ騒動


その予感は当たり、次の瞬間リスはドングリをくわえて病院の待合室に飛び込んだ。

床の上をちょろちょろと走り回り、イスの下に隠れたり、棚の影に入ったり。


「わわ、追いかけないで!」

私が言っても、チャイは吠えながらリードをぐいぐい引っ張る。

ベルは尻尾を振ってワクワク、モカは呆れ顔。

リクは静かに立ち上がり、ドングリを落とした場所に鼻を近づけた。


小さな安心


しばらくして、リスは自分で落としたドングリを抱え、待合室の隅に座った。

胸の前で大事そうにドングリをかかえ、つぶらな瞳でこちらを見上げている。


「……この子も、食べ物を大事にしてるんですね」

美咲が微笑む。


ベルもチャイも興奮を少し落ち着け、リクは静かに見守り、

モカはようやく肩の力を抜いた。

ユキは高みから見下ろし、どこか誇らしげに毛づくろいをしていた。


見送り


しばらく休んだあと、リスはドングリを口にくわえ、

玄関から外へと走り去った。


落ち葉の舞う庭へ消えていく姿を見送りながら、

「また来るかもしれませんね」

美咲が笑った。


動物病院の一日が、ほんの少しだけ森の仲間たちとつながった気がした。

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