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動物病院日誌   作者: 匿名希望


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「稲穂の道を歩いて」

秋の気配


九月に入ったばかりの朝。

まだ日差しは強いが、風にはほんの少し涼しさが混じっていた。

「稲穂がちょうど見ごろらしいですよ」

美咲が近所の農道を指差す。


黄金色に実った稲が、風に合わせて一斉に揺れる様子はまるで波のようだった。

今日は動物たちを連れて、散歩に出かけることになった。


みんな集合


ベルは女の子と元気に駆け寄り、リクは落ち着いた足取りでやってきた。

チャイは大はしゃぎで飛び回り、モカは「またか」といった表情。

ユキはキャリーから出て、ゆったりと尻尾を揺らす。


「さあ、行きましょうか」

私の声に合わせて、みんなで稲穂の道を歩き始めた。


稲穂と動物たち


ベルは田んぼのあぜ道を元気に走り、女の子が「こっちだよ!」と声をかける。

リクは風に揺れる稲を静かに見つめ、時折立ち止まって深呼吸していた。

チャイは稲の中に飛び込みそうになり、モカがリードを引いて止める。

その様子に飼い主夫婦が笑い、私たちもつられて笑った。


ユキは足元を避けるように歩きながら、黄金色の光に毛並みを輝かせていた。


小さな出来事


途中でスズメの群れが稲に舞い降り、ざわめきを起こした。

ベルが驚いて吠えると、鳥たちは一斉に飛び立つ。

リクは微動だにせず見送り、チャイは追いかけようと跳ね上がり、モカに止められた。

ユキは目を細めて空を仰ぎ、どこか満足そうだった。


夕暮れ


散歩を終える頃、田んぼ一面が夕陽に染まっていた。

黄金色の稲が橙に変わり、風に揺れる音が静かに響く。


「秋が来たんですね」

美咲がぽつりとつぶやく。

ベルは女の子の隣で座り、リクは堂々とあたりを見回していた。

チャイはまだ遊び足りず、モカが呆れ顔。

ユキは夕陽を背に、ゆったりと座っていた。


病院に戻って


病院に帰ると、動物たちは満足そうに眠りについた。

私は今日撮った写真を眺めながら、秋の始まりを実感した。

夏の賑やかさとは違う、穏やかな時間がそこにあった。

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