「スイカ食べ比べ大会」
真夏の午後
八月も後半。
昼下がりの待合室は、冷房が効いているのに外から入ってきた人と動物たちでにぎやかだった。
「今日はね、特別イベントです!」
美咲が大きな紙袋を抱えて入ってくる。
中には、小玉スイカ、黄色いスイカ、種なしスイカと、さまざまな種類が入っていた。
「先生、この前のスイカ割りが大好評だったので、今日は“食べ比べ大会”です!」
私は笑ってうなずき、包丁とまな板を用意した。
みんな集まって
ベルと女の子は「やったー!」と声を合わせて喜ぶ。
リクは少し首をかしげ、チャイは「待ちきれない!」と飛び跳ねている。
モカは落ち着いた様子で座り、ユキは窓辺から冷静にこちらを眺めていた。
「今日は種類が違うから、どんな反応するか楽しみですね」
美咲は嬉しそうにスイカを並べていく。
食べ比べスタート
まずは赤い普通のスイカ。
ベルは勢いよく食べて果汁まみれになり、女の子がタオルで拭いてあげる。
リクは静かに味わい、ゆっくりと舌で確かめていた。
次は黄色いスイカ。
「色がちがーう!」と子どもたちが驚き、ベルは不思議そうに一口。
甘さが控えめで、リクは気に入った様子。
チャイは「こっちも好き!」とがっつき、モカは小さく首をかしげながらも食べた。
ユキは優雅に口をつけ、黄色い果肉が白い毛に映えていた。
最後は種なしスイカ。
子どもたちが「食べやすい!」と喜び、ベルもご機嫌。
チャイは一瞬で食べ終えてしまい、モカがため息をつく。
リクは安心したように食べ、ユキはそっと舌先で味わった。
笑い声と種飛ばし
途中で子どもたちが「種飛ばし競争しよう!」と始めた。
ベルが真似して口を動かすと、みんな大笑い。
チャイはわざと果汁を飛ばしてモカに怒られ、ユキは涼しい顔で遠巻きに見ていた。
待合室はすっかり夏祭りのようなにぎわいになった。
夕方 片づけのあとで
食べ比べが終わると、スイカの皮が山のように残った。
美咲が「今年の夏も、スイカで乗り切れそうですね」と笑う。
私はうなずき、冷たい麦茶をみんなに配った。
ベルは満足そうに横になり、リクは静かに休んでいる。
チャイはまだ「もっと!」とねだり、モカににらまれた。
ユキは窓辺で夕陽を浴び、どこか満ち足りた表情をしていた。




