「ひまわり畑の散歩会」
夏の朝
八月の青空が広がる朝。
病院の前には、犬たちと飼い主たちが集まっていた。
今日は年に一度の「夏の散歩会」。
近くの農園が開放している、広大なひまわり畑へみんなで出かけるのだ。
ベルはリードを持った女の子の横で、すでに興奮気味。
リクは落ち着いた足取りで、美咲のそばに寄り添っている。
チャイは飛び跳ねながら「早く行こう!」と鳴き、モカが呆れた顔をしていた。
ユキはキャリーから外をのぞき、涼しげに尻尾を揺らしている。
「いいお天気でよかったですね」
美咲が笑い、私は水筒とタオルを確認した。
ひまわり畑に到着
農園の入口に着くと、一面の黄色い海が広がっていた。
背の高いひまわりが空に向かって咲き誇り、眩しいほどの夏景色。
子どもたちから歓声が上がり、犬たちもそわそわし始めた。
「わあ、きれい!」
美咲も目を輝かせ、スマホを構える。
ユキはキャリーから顔を出し、ひまわりをじっと見上げていた。
散歩のひととき
ベルは女の子と一緒に走り回り、花の間を元気に駆け抜ける。
リクは日陰を選びながら、ゆっくりと歩く。
チャイは花に突っ込もうとし、モカが必死に止める。
その姿に飼い主たちが笑い声を上げた。
途中で記念撮影の時間。
みんなで並び、ひまわり畑を背景に写真を撮る。
ベルは笑顔で舌を出し、リクは堂々とした姿勢。
チャイはじっとできずに動き回り、モカが困り顔。
ユキは凛と座り、ひまわりに負けない存在感を放っていた。
小さなトラブル
ひまわり畑の途中で、チャイが迷子になりかけた。
花の間に入ってしまい、姿が見えなくなる。
「チャイー!」と声をかけると、花の影から元気に飛び出してきて、モカに怒られていた。
一方、ベルは水をがぶがぶ飲んで休憩。
リクは子どもに撫でられて目を細めていた。
ユキは花の影でじっと風に耳を澄ませている。
夕暮れの帰り道
散歩を終える頃には、ひまわり畑が夕陽に染まっていた。
金色の花々が橙に輝き、犬たちの毛並みも柔らかく光る。
「また来年も来たいね!」
子どもたちが口々に言い、ベルが尻尾を振る。
リクは静かに歩き、チャイはまだ遊び足りなさそう。
モカは「もう十分だ」といった顔。
ユキは夕空を背に、どこか誇らしげに座っていた。
病院に戻って
病院に戻ると、犬たちはぐったりと横になり、満足そうな息をついていた。
美咲が写真を見返しながら「みんな、いい表情でしたね」と微笑む。
私は頷きながら、今日の一枚を病院の掲示板に貼った。
ひまわり畑の中で輝く笑顔。
それは夏の思い出の一コマになった。




