表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
動物病院日誌   作者: 匿名希望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/139

「冬休みのにぎやか診療日」

朝 冬休みらしい光景


一月四日。

通りにはまだ門松やしめ飾りが残り、町全体がゆっくりとお正月気分を引きずっている。

病院の前を小学生くらいの子どもたちが駆け抜け、声を弾ませていた。


「先生、今日は子どもさん連れが多そうですね」

美咲が予感するように笑った。


午前 ベルと兄妹の笑顔


最初に来たのはベルと女の子、それにお兄ちゃんも一緒だった。


「冬休みだから今日は兄妹でお散歩係なんです!」

女の子が得意げに言う。


ベルは診察台に上がると、しっぽを振って兄妹を交互に見上げた。

お兄ちゃんは「ちゃんと元気か確認しような」と真剣な顔をし、女の子は「ベルは元気だよ!」と笑顔を返す。


その様子に待合室の大人たちも目を細めていた。


午前後半 リクと絵日記の話


次にやってきたのはリクと加藤さん、そして加藤さんのお孫さん。


「冬休みの絵日記にリクのことを書こうと思ってね」

孫娘はノートを抱えていた。


「元旦に一緒に寝ちゃったリク」

「甘酒の匂いをかいで不思議そうなリク」


診察の合間にそんなメモを覗かせてくれ、リクは診察台でこてんと寝転んで見せた。

まるで「その通りだよ」と言っているかのようだった。


昼 チャイとモカと子どもたちの歓声


昼頃にはチャイとモカが来院。

冬休み中のいとこたちも一緒にやってきて、待合室は一気に賑やかになった。


「チャイ、こっちおいで!」

「モカちゃん、ふわふわ~!」


チャイは子どもたちの声に応えて跳ね回り、モカは少し恥ずかしそうにキャリーの中で丸くなる。

「無理しなくていいんだよ」と声をかけると、モカはちらりと子どもたちを見て、しっぽを小さく揺らした。


午後 ユキと雪遊びの話


午後にやってきたユキの飼い主さんは、小学生の息子を連れていた。


「元旦の日にちょっと雪が降ったでしょ。そのときユキと一緒に庭で遊んだんです」


息子さんは写真を見せてくれた。

雪の上に白い毛が映え、まるで溶け込むようなユキの姿。

その横で雪だるまを作る小さな手が、寒さを忘れたように生き生きとしていた。


待合室の子どもたちが集まり、「いいなあ」と声をあげる。


夕方 待合室の小さなお祭り


夕方になると、待合室には自然と子どもたちが集まり、飼い主たちが笑顔で見守る光景が広がった。


「ベルちゃんは走るの早いね!」

「リクくんはよく寝るんだね」

「ユキちゃん雪と同じ色!」


動物たちもそれぞれの性格を出しながら、子どもたちに寄り添ったり、少し距離をとったり。

その一つ一つが、子どもたちにとって冬休みの大切な思い出になっていくのだろう。


夜 静けさの中で


診療が終わり、病院の明かりを落とすと、昼間の賑やかさが夢のように感じられた。


「今日はまるでお祭りみたいでしたね」

美咲が笑う。


「動物も子どもも元気なのが一番だな」


窓の外には、冬の夜空に星が瞬いていた。

静けさの中に、今日の笑い声がまだ余韻のように残っている気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ