凍てつくアスファルトと、白く乾いた足裏、あるいは冬の小道に潜む目に見えない塩の罠
凍てつくアスファルトと、白く乾いた足裏、あるいは冬の小道に潜む目に見えない塩の罠
### 1. 凍える冬の朝と、痛む前足
一月中旬。京都の街がキリッとした寒さに包まれ、朝晩の冷え込みが厳しくなったある日の朝。
今日の午前、診察室にやってきたのは、5歳の元気な柴犬「小太郎」君(男の子)と、少し心配そうな飼い主の佐藤さんです。
「先生、最近すごく寒くなってお散歩のときに足元がカチコチに凍っているんですが、今朝から小太郎がなんだか前足を地面につけるのを嫌がって、ピョンピョンと片足を上げて歩くんです。肉球を触ってみたら、なんだかいつもよりカサカサして白っぽくなっていて、小さな亀裂から血がにじんでいるんです!」
診察台の上で、小太郎君は痛む前足をかばうように引き上げ、触られるのを嫌がって小さく身を縮こまらせています。ルーペで肉球を観察すると、冬の乾燥によって皮膚の弾力が失われ、深いひび割れ(亀裂)が生じているサインが見られました。
「佐藤さん、すぐにお連れいただき正解です。これは『冬の冷たい乾燥空気と、道路にまかれた融雪剤(塩化カルシウム等)による、足裏のひび割れおよび化学熱傷』ですね。冬のお散歩道は、夏とは違った意味でワンちゃんたちのデリケートな肉球を脅かす過酷な環境なんです」
### 2. なぜ「冬のお散歩道」は肉球を傷つけるのか
多くの飼い主さんは「夏のアスファルトはやけどするから危ないけれど、冬の冷たい道ならお散歩は安全だろう」と思いがちですが、冬特有の路面には目に見えないリスクが潜んでいます。




