第129話 「落ち葉のじゅうたん」
---
### 1 秋の風と色づく庭
朝、病院の庭に出ると、ふわりと冷たい風が頬を撫でた。
木々は赤や黄色に色づき、枝先からはひらひらと葉っぱが舞い落ちてくる。
足元には、すでに厚く積もった落ち葉が絨毯のように広がっていた。
「わぁ、きれいだね」
女の子がそう言うと、ベルが勢いよく飛び出して、落ち葉の山にダイブした。
「うわーい!サクサクだ!」
チャイも続いて「ぼくもー!」と跳び込み、落ち葉をバサバサ舞い上げる。
その様子にモカは「まったく、あなたたちってば……でも、楽しそうね」と小さく笑った。
リクは落ち葉を一枚拾い、光に透かしながら「葉脈がよく見える。こうして木々の命が次へとつながるんだな」としみじみ語る。
ユキは落ち葉を踏みしめる音を聞きながら、「枯れゆくものの音もまた、心を落ち着ける」と静かにつぶやいた。
---
### 2 落ち葉集め
女の子はほうきを持ち出して、「せっかくだから落ち葉を集めよう」と言った。
「はーい!」とベルとチャイが元気よく返事して手伝い始める。
ベルは大きな袋を持ってバサバサと葉っぱをかき集め、チャイは小さな前足でちょこちょこと葉っぱを運ぶ。
モカはしばらく見ていたが、「やれやれ、少しは手伝わないとね」と、しなやかな体で葉っぱをかき寄せてくれる。
リクは「効率よく集めるなら風下からがいい」と真面目に配置を考え、ユキは「……袋を抑えておこう」と静かにサポートしてくれた。
気づけば、庭には大きな落ち葉の山がいくつもできていた。
「うわぁ、ふかふかベッドみたい!」と女の子が言うと、ベルとチャイは待ってましたとばかりに山へ飛び込んだ。
---
### 3 落ち葉の中の宝物探し
「ねぇねぇ、この中に宝物を隠して探すゲームしようよ!」
チャイが目を輝かせると、みんなも面白そうだと頷いた。
女の子が小さなボールやおやつを落ち葉の中に隠す。
「よーい、スタート!」
ベルは鼻を使って必死に探し、すぐにボールを見つけて「見つけたぞ!」と誇らしげ。
チャイは葉っぱに埋もれてもぐらのように進み、「あっ、おやつあったー!」と大喜び。
モカは慎重に前足でかき分けながら探し、きちんと一つずつ見つけ出していく。
リクは耳を澄まし、音の変化で場所を予測し、見事にボールを引き当てた。
ユキは静かに葉を一枚ずつ動かし、最後に残ったおやつをすっと取り出して「……終わりだ」と呟いた。
みんなで大はしゃぎしながら宝探しを終えると、落ち葉の山は少し小さくなっていた。
---
### 4 舞い散る葉っぱと追いかけっこ
そのとき、ひときわ強い風が吹いた。
木々から大量の葉っぱが舞い降り、空がオレンジと金色に染まったようになった。
「わぁ!きれい!」
女の子が声を上げると、ベルとチャイは「つかまえるぞ!」と駆け回り始めた。
風に舞う葉っぱを追いかけてジャンプするベル。
小さな体でひらひらと跳ねるチャイ。
その二匹の姿はまるで子どものようで、見ているだけで心が温まった。
モカは葉っぱを一枚捕まえて「この色合い、飾りにしても素敵ね」と目を細める。
リクは「葉の形や色の違いを観察するのも面白い」と落ち着いて分析。
ユキは舞い散る葉をじっと見つめ、「風が描く一瞬の絵画だ」と低くつぶやいた。
---
### 5 落ち葉のベッドでまったり
ひとしきり遊んだあと、女の子が「ちょっと休憩しよう」と言い、落ち葉の山にごろんと寝転んだ。
「ふかふかだぁ……」
その声に誘われて、ベルとチャイも隣に転がり込む。
モカは「仕方ないわね」と言いながらも優雅に腰を下ろし、リクは「これは保温性があるな」と分析しつつ静かに横になった。
ユキはみんなを見て一瞬ためらったが、やがてゆっくりと腰を下ろし、目を閉じた。
風に揺れる木々の音、遠くで鳴く鳥の声、そしてカサカサとした落ち葉の感触。
女の子と動物たちは、秋の自然に包まれながらしばしのんびりとした時間を過ごした。
---
### 6 夕暮れの帰り道
日が傾き、空が茜色に染まり始めたころ、女の子はみんなに声をかけた。
「そろそろ中に入ろうか」
袋いっぱいに集めた落ち葉は、堆肥にするために片付けられた。
「また新しい命につながるんだね」
女の子がつぶやくと、リクが「その通りだ。自然は循環している」と真面目に頷いた。
帰り際、ベルが「今日もいっぱい遊んだな!」と元気に言い、チャイは「落ち葉、またやりたい!」と笑った。
モカは「葉っぱまみれになったのはちょっと大変だったけど……でも楽しかったわ」と微笑む。
ユキは空を見上げて「枯れ葉もまた、季節を彩るひとつの命だ」と静かに締めくくった。
女の子はみんなの顔を見渡し、「秋って、いいね」と心から思った。
---




