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動物病院日誌   作者: 匿名希望


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第128話 「雨の日の遊び」



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### 1 しとしと降る朝


その日の朝は、しとしとと優しい雨音で目が覚めた。

窓ガラスを伝う水滴がきらきら光り、庭の草木は潤いを得たように生き生きとしている。


女の子はカーテンを開けながら「今日は雨みたいだね」とつぶやいた。

ベルは窓の外を見て「お散歩できないのかぁ」と耳をしょんぼり下げる。

チャイは「でも雨の音、ぽちゃんぽちゃんって楽しいよ!」と小さな体で跳ねながら笑う。

モカは「あら、たまにはこうしてのんびりお家で過ごすのも悪くないわ」と優雅に伸びをした。

リクは「外作業ができない分、屋内での活動を考える必要があるな」と真剣に考え込み、ユキは窓辺に座って「雨は静けさを連れてくる。悪くはない」と静かに目を細めていた。


こうして、みんなの雨の日の一日が始まった。


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### 2 室内運動会


女の子が「外に行けないなら、お部屋で遊びを考えよう!」と言い出すと、ベルの目が輝いた。

「お部屋で遊ぶ?それなら運動会だ!」


広い待合室を使って、ちょっとした室内運動会が始まった。

最初は「タオル綱引き」。女の子がタオルを持ち、ベルとチャイが反対側をくわえてぐいぐい引っ張る。

「うーん!」「よいしょー!」

二匹の力に女の子も引っ張られそうになり、「あははっ、強いなぁ!」と笑った。


次は「障害物競走」。イスをトンネルにしてくぐったり、クッションを飛び越えたり。

チャイは軽快にぴょんぴょん飛び越え、ベルは勢い余ってクッションごと転がってしまう。

「ベル、大丈夫?」と女の子が駆け寄ると、ベルはケロっと笑顔で「へへっ、楽しいから大丈夫!」と元気に答えた。


モカはというと、ソファに座りながら優雅に観戦している。

「私はこういう競技には向かないわね。でも応援ならするわ。がんばって!」と前足をひらひら振った。


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### 3 手作りおもちゃ遊び


運動の後は少し休憩。

女の子が段ボールと紐を取り出すと、みんなが興味津々で集まってきた。


「これでおもちゃを作ろう!」


女の子は箱に穴を開け、紐を通して「引っ張り箱」を作った。中には鈴やおやつを隠す。

チャイが鼻を突っ込んでごそごそ探すと、「カランカラン♪」と鈴が鳴り、見事におやつを見つけ出す。

「やったー!」と嬉しそうに尻尾を振るチャイに、ベルも負けじと挑戦。


リクは「この仕掛けは工夫次第で難易度を変えられるな」と感心し、モカは「私はこういう頭を使う遊びが好きよ」と前足で器用に紐を引っ張った。

ユキはじっと観察していたが、ふと静かに前足を伸ばし、見事におやつを引き当てて「…悪くない」と淡々とつぶやいた。


みんなで知恵と工夫を楽しみ、笑い合う時間が過ぎていった。


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### 4 雨音のおはなし会


午後になると、雨音が一層強くなり、屋根を打つリズムが心地よい子守歌のようになった。

「せっかくだから、お話会をしようか」

女の子が提案すると、みんなが丸くなって座った。


ベルは「ぼくは大きな骨を見つける夢をよく見るんだ!」と楽しげに話し、チャイは「ぼくはお空を飛んで、雲の上で遊ぶ夢!」と手足をばたばたさせる。

モカは「私はティータイムをしてる夢ね。おしゃれなテーブルで、ケーキを食べながら」と笑う。

リクは「私はもっと知識を得たいな。図書館で一日中本を読んでる夢がいい」と真面目に言う。

ユキは少し黙った後、「…私は、夜の森を歩く夢をよく見る」とつぶやいた。その声は静かで不思議と安心感があった。


女の子は「みんなの夢、素敵だね」と微笑み、雨音をBGMに、ほのぼのとした語らいが続いた。


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### 5 雨上がりの空


夕方になると、雨は次第に弱まり、やがて止んだ。

窓を開けると、ひんやりした空気が流れ込み、外の景色は一層鮮やかに見える。

濡れた葉っぱが光り、空には大きな虹がかかっていた。


「わぁ、虹だ!」

女の子が声を上げると、みんな一斉に窓辺へ駆け寄った。


ベルは「すごい!すごい!」と尻尾を振り、チャイは「虹の向こうに行ってみたいなぁ」と夢見るように言う。

モカは「雨の日の後って、こういうご褒美があるのね」と目を細め、リクは「自然の循環の美しさを感じる」と真面目に観察。

ユキは静かに虹を見つめ、「嵐の後にしか現れない光…それもまた美しい」と低くつぶやいた。


みんなで並んで虹を眺めるひとときは、雨の日だからこそ味わえた特別なご褒美だった。


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### 6 おやすみ前に


夜。

女の子は「今日は雨の日でもいっぱい遊べたね」と微笑みながら布団を整えた。


ベルは「楽しかったー!」と丸くなり、チャイは「また雨の日でも遊ぼうね」と目を閉じる。

モカは「次は静かに読書なんていいかも」とつぶやき、リクは「学びの時間も取り入れたいな」と真剣に計画を立てている。

ユキは窓の外の月を見上げて「雨が去った後の静けさもまた、良いものだ」と静かに言った。


女の子はそんなみんなを見て「雨の日も晴れの日も、みんなと一緒なら楽しいね」と心から思った。


こうして、病院の雨の日は、温かい遊びと笑顔で幕を閉じた。


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