第123話 「秋風と落ち葉あそび」
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### 1 秋風に誘われて
ある日の午後、病院の庭に秋風が吹き抜けた。
さらさらと木の枝が揺れ、赤や黄色に染まった葉っぱがひらひらと舞い落ちてくる。
女の子は縁側から庭を見て、「わぁ、きれい!」と声をあげた。
ベルは鼻先で落ちてきた葉っぱをキャッチしようとジャンプし、チャイは「ぼくも!」と一緒に跳ね回る。
モカはゆっくりと歩いて葉っぱの上に座り込み、「まるで絨毯みたいね」と気持ちよさそうに目を細めた。
リクは落ち葉を踏みしめながら、「秋は大地が衣替えをする季節だな」と言い、ユキは舞い落ちる葉を追いながら「風が踊らせている」と低くつぶやいた。
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### 2 落ち葉の山づくり
「ねぇねぇ、葉っぱを集めて山にしようよ!」
女の子の提案に、みんなが一斉に動き出した。
ベルはせっせと葉っぱを鼻で集め、チャイは両前足で掻き寄せる。
モカはしぶしぶながらも「少しくらいなら手伝うわ」と前足で落ち葉を寄せ、リクは力強く広い範囲の葉を一気にかき集めた。
ユキは木の枝から葉を落とし、ひらひらと舞う葉を山の方へ誘導するように飛び降りた。
あっという間に、子どもの背丈ほどの落ち葉の山ができあがった。
女の子は「すごーい!」と歓声を上げ、ベルとチャイはすぐにその山へ飛び込んだ。
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### 3 大はしゃぎの落ち葉プール
バサッと音を立てて飛び込むと、葉っぱがふわりと舞い上がった。
チャイは葉っぱに埋もれながら「わー!プールみたい!」と大喜び。
ベルも顔だけ出して「これは楽しいぞ!」と尻尾を振る。
女の子も思い切って山に飛び込み、落ち葉の中で大笑い。
「ふかふかだね!ベッドみたい!」
モカは少し離れた場所からその様子を眺め、「ほんとに子どもみたいね」とあきれ顔。
だが次の瞬間、チャイが勢いよく跳ねてモカに葉っぱをかけてしまった。
頭に葉っぱをのせたモカはしばらく無言だったが、やがて小さく笑い、「……まぁ、悪くないわ」と自分も山にちょこんと座った。
リクは葉っぱの山のてっぺんに登り、「見晴らしがいいな」と得意げに胸を張り、
ユキは木の上から飛び降りて、柔らかい山にすとんと着地。「これは意外と心地よい」と満足げに目を細めた。
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### 4 葉っぱのかくれんぼ
「次はかくれんぼしよう!」と女の子が提案した。
ベルとチャイは「やるやる!」と大賛成。
チャイが「ぼくが鬼やる!」と目をつぶって数を数える。
女の子とベルは落ち葉の山に潜り込み、モカは木の根元に体を丸める。
リクは葉の中に堂々と伏せ、まるで自然の一部のよう。
ユキは山のてっぺんで葉をまとい、静かに潜んだ。
「もういいかーい!」
「もういいよー!」
チャイが探し始めるが、落ち葉が多すぎてなかなか見つけられない。
「どこだー?」と必死に探すチャイの背中に、ベルがそっと葉っぱを投げつける。
「きゃっ!」と驚くチャイに、女の子もリクも笑いをこらえきれなかった。
最後にユキがするりと姿を現し、「私は最後まで見つからなかった」と勝ち誇ったように言った。
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### 5 夕暮れのひととき
日が傾き、庭に柔らかな夕陽が差し込む。
落ち葉の山は少し小さくなっていたが、まだふかふかしている。
女の子はみんなと一緒に腰を下ろし、「いっぱい遊んだね」とにっこり。
ベルは疲れて女の子の足元に丸まり、チャイは「明日もやろうね!」と元気に言った。
モカは「まぁ、今日は悪くなかったわ」と尻尾を揺らし、
リクは「自然と遊ぶのは心を健やかにする」と深い声で言った。
ユキは西の空を見上げ、「落ち葉はまた風に運ばれていくだろう。今日の遊びも思い出として残る」と静かに締めくくった。
庭に舞う最後の一枚の葉が落ち、秋の一日は穏やかに暮れていった。
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