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転生令嬢コリィは江戸文化に憧れる〜辺境スローライフ〜  作者: ちょこだいふく


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37/40

37.新しい味

料理長は腕を組み、真剣な顔で呟いた。

「……ただソースをかけるだけでは芸がない。いっそ“生地そのもの”にカカオを混ぜ込んでみてはどうだろう」


「チョコプリン……!」

コリィの瞳が輝いた。


アマーリエも頷き、計算を始める。

「卵とミルク、砂糖にカカオを加えて蒸せば……いけるかもしれないわ」


試しに蒸し上げてみると、黒褐色のプリンがぷるぷると揺れた。

スプーンを入れると、なめらかな食感にほんのり苦みと甘さが広がる。


「……っ! これよ……チョコプリン!」

コリィは感動の声を上げ、涙ぐみながら微笑んだ。


ーーー


だが、料理長はさらに燃えていた。

「しかし……コリィ様がおっしゃっているムース…ゼラチンというものがなければ作れんのだろうか?」


コリィは首を傾げ、思い出したように言った。

「そういえば、前の世界では……卵白を泡立てて“メレンゲ”にして、それを混ぜ込んだ“チョコレートムース”がありました!」


「メレンゲ……?」

アマーリエが目を細め、メレンゲがどう言うものかを聞いてすぐに泡立て器を設計する。

ジークは「腕が疲れるな!」と笑いながら卵白を泡立て、真っ白な角を立たせてみせた。


それをカカオとミルクのクリームに混ぜ込むと――

ふわふわと軽やかな、空気を含んだ菓子が出来上がった。


家族が一口食べてみて思わず目を見開く。

「軽い……けれど濃厚!」

「口の中で溶けて消える……!」


コリィは両手でスプーンを握りしめ、幸せそうに笑った。

「これが……チョコレートムース……! 前の世界でも憧れてたの……まさか今食べられるなんて……」


母は涙ぐみ、父は重々しく頷いた。

「……我が家は本当に、素晴らしい子を授かった」


湯気と甘い香りに包まれた食堂で、異世界式チョコスイーツの誕生を、家族全員で祝った。


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