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転生令嬢コリィは江戸文化に憧れる〜辺境スローライフ〜  作者: ちょこだいふく


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30/40

30.蒸気

温泉街の計画が進む中、湯気を見つめていたコリィがぽんと手を打った。

「そうだ! この蒸気を使えば……料理ができるはずなんです!」


「料理に?」

アマーリエが首をかしげる。


「はい。蒸気でゆっくり火を通せば、お肉や野菜がふっくら仕上がりますし…卵を蒸したらとっても美味しいんです。温泉卵って言うんですけど、あと前の世界では“ぷりん”なんてお菓子も作られていたんですよ」


「ぷりん……?」

ジークが怪訝な顔をし、アマーリエも眉をひそめた。

母はくすっと笑って首をかしげる。

「聞いたこともないわねぇ」


「じゃあ、作ってみます!」

コリィは嬉しそうに材料を集めた。


卵と牛乳、少しの砂糖を混ぜて器に注ぎ、温泉の蒸気にかける。

しばらくすると――ぷるん、と揺れる黄金色のプリンが出来上がった。


「……わぁ!」

アマーリエが目を輝かせる。

「見たことないわ…例えようがないけれど、可愛らしくってとっても綺麗な色!」


「では、どうぞ!」

コリィがスプーンを配り、みんなで一口。


――とろりとした舌ざわり、優しい甘みが口いっぱいに広がる。


「!? な、なんだこのなめらかさは!」

ジークが目を剥き、母は両手を胸に当てて感動の声を漏らす。

「……甘くて、やさしい……」


アマーリエも夢中で口に運び、信じられないというように呟いた。

「ぷりん……これが“ぷりん”なのね……!」


「あたたかくても美味しいんですけど、冷やすとそれはもう絶品なんです!」

うっとりとした顔でコリィはいう。


父は真剣な顔で言った。

「……ヴォルクハイト領の宝になる味だ」


みんなの頬が緩み、湯気の中で笑顔が重なる。

コリィは顔を赤らめながらも、にっこりと笑った。

「えへへ……みんなが喜んでくれて、すっごく嬉しいです」


こうして、温泉の恵みから生まれた新たな食文化


特にプリンは、ヴォルクハイト領の名物へと育っていくのだった。


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