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転生令嬢コリィは江戸文化に憧れる〜辺境スローライフ〜  作者: ちょこだいふく


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27/40

27.温泉を探そう

――数ヶ月後。


ヴォルクハイト領に建てられた湯屋は、連日賑わっていた。

子どもから老人まで列をなし、兵士や職人も仕事終わりに身体を温めに訪れる。

だが、人気が出すぎて浴場は常に満員、順番待ちの列ができるようになっていた。


「ふぅ……嬉しい悲鳴ね」

母が苦笑しながらも嬉しそうに呟く。


コリィは膝の上で手を組み、少し考え込んでいた。

「みんなに喜んでもらえてすごく嬉しいけど……これじゃ数が足りませんね。もっとお風呂があればいいのに」


アマーリエが頷く。

「建て増しはできるけど、それにも限界があるわ」


ジークは腕を組み、首を傾げる。

「お湯を作るのに薪も大量にいるしな……もっと効率よく湯を作れる仕組みがあれば」


その言葉に、コリィはぱっと顔を輝かせた。

「そうだ……“温泉”です!」


「オンセン?」

家族も職人も首をかしげる。


コリィはにっこり笑い、説明を始めた。

「わたしの前の世界には、地面から自然に温かい水が湧き出す場所がありました。温泉って言って、とても気持ちよくて、体にも良いんです。

火山があるなら、この世界にもあるはずです!地面を掘ったくらいで水が出るんですから、探せばきっと……」


父が目を細め、低く唸った。

「地熱……確かに、この辺りには火山地帯があると古い記録にあった」


アマーリエは紙を広げ、山の位置と水脈を書き込んでいく。

「水路や井戸の記録から推測すれば……湧き水の近くや硫黄の匂いがする場所を探せば見つかるはず」


ジークはにやりと笑い、拳を鳴らした。

「よし! なら俺が探しに行ってみよう! 探検は得意だ!」


コリィも立ち上がり、両手を胸に当てて宣言した。

「兄さま、姉さま……一緒に探しましょう!

みんながもっと気持ちよく過ごせるように――今度は温泉を見つけます!」


家族は顔を見合わせ、力強く頷いた。

こうしてヴォルクハイト領は、湯屋の次なる夢――温泉探索へと動き出した。


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