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転生令嬢コリィは江戸文化に憧れる〜辺境スローライフ〜  作者: ちょこだいふく


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25/40

25.湯屋建設始動

数日後。

アマーリエの前には大きな羊皮紙が広げられていた。

その上には、広間を二つに分けた浴場、蒸気を逃がす高い天井、排水路や湯釜の位置までもが細かく描かれている。


「……できたわ!」

アマーリエが顔を上げると、家族も職人も兵士も領民も、どっと彼女の周りに集まった。


「ほぉ……大きな湯釜で水を沸かすのか!」

「湯気を逃がす窓まで考えられているぞ」

「排水は下水路に繋ぐのか! なるほど!」


父は図面を掲げ、力強く宣言した。

「ヴォルクハイト領の湯屋建設を、今ここに始める!」


「おおーーっ!」


その声と共に、大工事が始まった。

広場の一角では兵士が土を掘り、職人が丸太を組み上げる。

滑車で大きな梁が吊り上げられ、水路からは掘削機で掘った井戸水が引かれてくる。


「材木はこっちだ!」

「石組みを固めろ!」

「釘を打て!」


領民たちも笑顔で加わり、子どもたちは木材を運びながら歌を口ずさんでいた。


その光景を見守りながら、コリィは毛布にくるまり、ぽかぽかとした笑みを浮かべた。

「……ほんとに、湯屋ができるんだ…本でしか観たことないけど、江戸みたいに、みんなが気持ちよく暮らせるようになる……」


母はそっとその肩を抱き寄せて微笑む。

「ええ、あなたのおかげでね」


父は槌を手に取り、自らも梁を打ち込んだ。

「これは領民すべての願いだ。必ず完成させるぞ!」


雪空に木槌の音が響き渡り――

こうして、ヴォルクハイト領初の公衆浴場建設が本格的に始まったのだった。


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