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転生令嬢コリィは江戸文化に憧れる〜辺境スローライフ〜  作者: ちょこだいふく


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15/40

15.次は下水ですね

――ついに水路が掘り終わった。

木枠で補強された溝は、分水用の仕掛けまで備わっている。


「堰を外せ!」

兵士の掛け声で水が流れ込み――

ざざざぁぁぁ!


勢いよく駆け抜ける水の流れに、歓声がどっと広がった。

「おおーっ!」

「すごい! 本当に流れた!」

「畑にも届くぞ!」


村人も兵士も職人も、みんなが両手を上げて喜び合う。

その輪の中心で、コリィはにこにこと笑った。


けれどすぐに、小さな声でぽつりと言った。

「……次は下水ですね!」


「ゲスイ?」

一斉に首を傾げる人々。


すると父と母、兄姉が同時に頷いた。

「ああ! そうだな!」

「コリィが暖炉の前で話していた、あれね」


周囲はますます首をかしげる。

「ゲスイってなんだ……?」

「水は流れてるのに、まだ何か足りないのか?」


コリィは一歩前に出て、真剣な表情で説明した。

「はい。きれいな水を運ぶのは大切です。でも、使った後の水――汚れた水や、トイレの排水をそのままにしておくと、病気のもとになってしまいます。だから“汚い水を流すための道”も必要なんです」


ざわっ、と人々がざわめいた。

「なるほど……!」

「確かに、溜まった汚水で子どもが病気になったことがあった……」

「それを道にして流す……そんな考え方があったのか!」


ジークが力強く頷き、拳を握った。

「上水と下水。両方揃ってこそ、本当に清潔な暮らしができるんだな!」


アマーリエも真剣に続ける。

「分岐や水門と同じように、汚水も別の道に流して処理すればいいのね」


父は大きく息を吸い込み、全員に告げた。

「よし! 次は下水路だ! 領民の命を守るために!」


「おおーっ!」

再び歓声が上がる中、母はコリィの手を握り、にっこり微笑んだ。

「やっぱり……あなたのおかげで、私たちは大切なことに気づけるのね」


コリィは少し頬を染めながらも嬉しそうに笑った。



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