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第9話 黒い繭とレベルアップ

 

 森から帰還した俺は、小屋に入って驚愕した。


 部屋中が黒い糸で張り巡らされていたからだ。


 〈ようちゅうは、まだクダモノをたべてるのかな?〉


 マークⅠは糸を全く気にしていないようで、樽に直行する。


 〈あれ!? ようちゅうがいなくなってる!! どこにいったんだろ……〉


 慌てた様子のマークⅠが、樽を次々に調べていく。


 全ての樽の蓋を開けて中を確認したマークⅠが、俺の元にやってきた。


 〈たいへんだよマスター!! ようちゅうがどっかにいっちゃったよ!!〉


 「幼虫はあそこだ」


 俺は水晶玉の横にある黒い繭を指差した。


 〈いないじゃん!! ……あれ? あのクロいのはなに?〉


 「幼虫が蛹の段階に移行したんだ。どうやら完全変態する虫みたいだな」


 〈えっ? あのクロいのがようちゅうなの?〉


 テーブルに飛び乗ったマークⅠは、じーっと黒い繭を見つめている。


 「まぁ、ほっとけば、そのうち出てくるだろう」


 〈……そうなんだ、よかったぁ〉


 「そんなことより、糸を回収するぞ。このままじゃ部屋を歩けない」


 俺は手で黒い糸を掴んで束ねていく。


 〈うん〉


 俺は糸を引っ張ってみたが、かなりの強度があってなかなか切れなかった。


 「この糸は何かに使えるかもしれないから保管だな」


 俺は槍を立て掛けている傍に、束ねた黒い糸を置いた。


 ちなみに、レッサー・ラットから採取した大量の皮も槍の横に置いてある。


 〈ふふふっ、これでヤリとカワとイトがあつまったね〉


 「嬉しそうだな」


 〈うん〉


 やはり、こいつはアイテムを集めるのが好きなようだ。


 「よし、ステータスを確認するか」 


 俺は水晶玉に触れる。


 レベルが上がっていることは体感的に分かっている。三匹ほどレッサー・ラットを倒したところで、格段に動けるようになったからな。そのおかけで楽にレッサー・ラットを倒せた。10匹以上は倒したんでレベルが2以上、上がっていればいいんだが。


名前: ロスト

職業: 【カスタードプリン】レベル: 5

HP: 250

MP: 150

SP: 250

攻撃力: 160

守備力: 160

素早さ: 160

魔法: ポイズン

特殊能力: 生命付与, 生命付与者解析, 生命付与者意識移動



 「よしっ!!」


 レベルが二つ上がってるぜ。これで下級職の【戦士】を超えた。少しは希望の光がみえてきたぜ。


 「よし、次はマークⅠ、お前だ」


 俺は『生命付与者解析』を発動して、マークⅠのステータスを視る。



名前: マークⅠ 水

全長: 約10cm

職業: 【無し】レベル: 5

HP: 300

MP: 300

SP: 200

攻撃力: 5

守備力: 20+レッサー・ラット皮のベルト風の服

素早さ: 5

魔法: アース, ウォーター

特殊能力: 浄化



 「おぉ!! お前もレベルが二つ上がってレベル5になってるぞ」


 それに『浄化』に目覚めてるな。やはり水だからなのか? 効果は毒などの状態異常を回復できるみたいだな。


 正直、助かるぜ。レッサー・ラットもそうだが、『毒爪』『毒牙』などの毒を持っている魔物が多いからな。


 「疲れたから今日はもう寝るぞ。明日は正面の森に入って黒亜人を倒すぞ」


 〈ふふふっ、イヌをたおすんだね。ヤリがふえるね〉


 楽しげな声を発したマークⅠは、テーブルの上に置いてあるコップの中に入っていった。


 俺もベッドで横になると、一瞬で眠りに落ちたのだった。

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本日、もう一話投稿する予定です。


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